NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ヘル・ファイヤー HELL FIRE」(35点/モンスター)

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■■■「ヘル・ファイヤー HELL FIRE」■■■
(35点/モンスター)

 元米軍で現在は船での荷物の輸送を生業とするグリフィンは、ある嵐の夜に米軍に依頼された掘削機材と、地質学者のアンナや軍のスタッフ達を海上の石油掘削プラントである「シー・ゴースト」へと運んでいた。

 折からの記録的な嵐の中をなんとかプラントまで辿り着いた彼らだったが、彼らの到着したプラントは勤務している筈のスタッフの人影も全く無いという、何故かもぬけの空のような状態…

 仕方なくスタッフ達を探してプラント内を捜索する彼らだったが、この事態に余りに異常な物を感じたグリフィンはアンナへと原因を問いただすと、実は彼らは油田の掘削中に地中の奥深くから『太古の昔から地中へと埋まっていた巨大な隕石』と『隕石に封じ込められていた謎の未知の生物』を発見したという事実を知らされるのだった…


 あらすじを読めばなんとなく分かると思いますが、油田基地版の「遊星からの物体X」(というか、むしろ「遊星よりの物体X」)みたいな感じの、いわゆる閉鎖環境型モンスターホラー映画です。

 しかし、「ヘル・ファイヤー」というタイトルとかパッケージだけを見ると、一瞬、モンスター映画だとは思わないような映画ですが…。
 ヘルファイアというとミリタリー好きの人の間では有名な対戦車ミサイル』の名称なので、最初は『「アパッチ」みたいな攻撃ヘリの話かな?』とか思ってしまいましたよ。

 ちなみに原題は「SEA GHOST」というタイトルで、内容を観ても別に油田プラントが大火災を起こすような話でも無くて『何がヘル・ファイヤーなんだかサッパリ分からない』ような内容なのですが、なんでこんなタイトルが付いたのかと思いきや…

 なんでも、映画を製作したプロダクションの名前が『HELLFIREプロダクション』なんだとか…

 いや、ソレをそのまま邦題にされても意味分からんから!!

 本編の方は、ありがちと言えば何ともありがちな感じの、オーソドックスなモンスターホラー映画なんですが…。

 なんと言いますか、何もかもが『微妙に中途半端』な映画です。

 アクションシーンで割と派手に火薬を使ってたり、米軍の航空母艦が登場したり(といっても、別の番組用に撮ったフィルムを流用してるだけっぽいけど)と、B級映画にしては割とお金がかかってるみたいな感じも受けるんですが、その割にはモンスターのCGがやたらとチープで浮きまくりだったり…

 モンスターが実は『人間の心が読め、相手の望む幻覚を見せて油断した所を襲う』とかって、使い方によっては面白くなりそうなSF風の設定を作ってる割には、その設定がどうにも消化しきれて無い部分が多かったり…

 っていうか、本作に登場するモンスターって『巨大なタコみたいな触手を持った怪物』なんですが…
 そもそも、コイツが最初っから『人間ごときが、ちょっとした銃器を持った程度じゃ相手にならないぐらいに強力』で、普通に攻撃するだけでも楽勝で大虐殺を繰り広げられそうなので、幻覚を見せて油断させてから襲う理由が全くもって意味不明です。

 見せ場に関してもどうにも物足りない感じだし、オチに関しても何とも中途半端で消化不良気味。
 なんと言うか、B級映画にありがちな『イロイロやりたかったんだけど、試しにイロイロな要素を詰め込んでみたら、どれも中途半端に終わってしまいました』という典型的なパターンかと…

 アイデアやアプローチとしては悪くなかったので、SFを描きたいならSF風に、モンスターを描きたいならモンスターに…どちらかに注力して描けば、結構観れる作品になってたかも?

 総評としましては、ストーリーにつけ設定につけ映像につけ、『どこを取ってもそこまで酷い内容では無い』ものの、逆に『どこを取ってもなんとも微妙』な感じの映画です。

 なんとなく映画というよりは、TV映画の1エピソードっぽい感じの印象を受ける作品だったので、他の作品の1エピソードとして組み込まれるか、逆にもっと尺を取って何エピソードかのシリーズとして描かれてれば、それなりに面白かったかもしれませんね。

 あと余談ですが、本作は『日本語吹き替え』のノリが妙に変でちょっと笑えるので、どうせ観るならば日本語吹き替えで観た方がいいかも?
 (『マロニーちゃん? 中村玉緒?』とかって変なセリフが出てきたのは、不覚にもウケてしまいましたよ…)