NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ECHO エコー」(50点/サスペンス)

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■■■「ECHO エコー」■■■
(50点/サスペンス)

 何者かに母親を殺害されたシャルロットは、母親の死の原因を調べる為に、母の殺害現場であり今は無人となっている実家へと訪れる。

 この家で過ごす事で『母を殺した犯人の手がかり』がつかめるかもしれないと考えた彼女は、しばらく母の実家で暮らすとなるが、実家で過ごすうちに『母が生きていた時の生活音』が聞こえるという奇妙な現象が起こっている事を発見する。

 音響技師である彼女は、この『謎の音』を録音する事で、奇妙な現象の原因調査を開始するが…


 音響技師の主人公が『死者の出す音』を原因に事件を調査するという、異色な設定のオカルトサスペンス映画。

 いわゆる『幽霊もの』のオカルトサスペンス映画とは違って、『母が過去に出した音』のみを手がかりとして事件の真相を辿っていくというアイデアは、なかなか奇抜で斬新だとは思います。

 実家の近所の住人である、個性的でクセのある『田舎の閉鎖的な人々』のキャラクターはなかなか面白くて、また『ミステリアスな雰囲気』も良い味を出しているので、この独特の雰囲気にハマる事が出来れば非常に楽しむ事が出来ると思います。

 ただ、この『過去に母が出した音』が聞こえるという『謎の現象』に関する説明がちょっと不十分で、最初は意味が分かり辛くて『序盤の展開が説得力に欠ける』のは難点かなぁ…
 あと終盤でも意味の分からない展開が多くて、ちょっと『何ぞソレ?』って感じになってしまったのは、自分だけですかね?

 また、全体的な雰囲気は非常に良いものの、ミステリーとしてはそこまで意表を突くような内容でもないので、いわゆる『アイデアと雰囲気だけの映画』になってしまっているのは勿体無いですね。

 もうちょっと、この『謎の現象』を上手く活用したトリックやら、どんでん返しやらが仕込まれていたら、もっと面白くなっていたと思うので、ちょっと残念なところでしょう。

 また、母が生前に予言していた『大きな事件』に関しても、もっとハッタリを効かせた内容でも良かったんじゃないかなぁ?

 フランス映画ですので『雰囲気重視』なのは仕方ないですが、全体的にもう少し『ハリウッド映画的な派手さ』があれば、かなり良くなってたんじゃないかと思うのですが…


 総評としましては、『ミステリアスな雰囲気は非常に良い映画』なのですが、ソレ以上でもソレ以下でも無い作品というのが正直な感想です。

 雰囲気は良いんだけど、必ずしもそれが面白さに直結している訳では無いという感じなので、雰囲気重視のオカルトサスペンス映画が好きな人ならば、割と普通に楽しめる作品ではないかと…

 逆に、理路整然とした展開やミステリーとしての面白さを求める場合は、ちょっと物足りなさを感じてしまうかもしれないので、そういう向きの作品を求めている場合は、ちょっと印象が違う作品かもしれませんね。

 フランス映画の独特な、アンニュイで退廃的なムードやノリが好きならば、割とオススメな一本かもしれません…