■■■「トリック・オア・トリート」■■■
(60点/オムニバスホラー:結構オススメ)
いつもは『物語のあらすじ』の説明から入りますが、本作はやや特殊な構成なので、今回はいきなり感想から…
「スーパーマン・リターンズ」や「ワルキューレ」のブライアン・シンガー監督の製作による、オムニバス形式のホラー映画です。
オハイオ州の片田舎の町でハロウィンの夜に起こる、『殺人鬼』や『オオカミ人間』や30年前の『スクールバス大虐殺』の都市伝説にまつわる怪異などの、4つのホラーストーリーが微妙にリンクしながら描かれる…という、ちょっと特殊な構成となっています。
この4つのストーリーの絡ませ方がなかなか上手くて、お話的には直接の繋がりは無いのですが、『あぁ、このシーンはここに繋がっていくんだ』というような伏線が随所に仕込まれていて、なかなかに面白い見せ方だと思います。
作品全体に漂う『お祭りの夜』の持つ独特の異様な雰囲気や、全てのストーリーに登場する『ジャッコ・ランタンの仮装の少年』も非常に良い味を出しており、不気味さを上手く演出しているのは上手いですね。
各ストーリーも、ブラックユーモアや皮肉な内容を感じさせるものが多くて、全く異なるテイストのお話ながらも、「トワイライトゾーン」的な短編のTVドラマっぽいノリで、サクっと楽しめて良い感じ。
『ジャッコ・ランタンの仮装の少年』の正体とか、最後のオチの付け方も含めて非常にソツなくまとまっている感じで、軽いノリで楽しむには非常に良く出来たホラー映画だと思います。
ただ前述の通り『全体的にノリがライト』なので、パンチ力に欠ける印象はあって、そこまで強烈に記憶に残るようなエピソードが無いのは若干の物足りなさを感じる部分かも?
総評としましては、インパクトには乏しいものの『なかなか良く出来たオムニバスホラー映画』であると思います。
「トワイライトゾーン」や「フロム・ザ・ダークサイド」みたいな『ホラー&ミステリーもののTVシリーズ』とか、『ブラックなノリの短編ホラー』とかが好きであれば『非常に楽しめる作品』だと思うので、そういうノリの作品が好きならば観ておいて損は無い一本だと言えるでしょう。
気楽な感じで『ゾーっとする体験』をしたい人には、かなりオススメの作品ですよ。