■■■「ダークディーラー」■■■
(55点/オカルト)
正体不明の光球状の怪物に追われたレイは、建物の中を逃げ惑っているうちに闇のディーラーが開く奇妙な賭博場のような場所にたどり着く。
混乱するレイだったが『自分は既に怪物によって殺されている』という奇妙な話を聞かされ、テーブルに着くように促される。
彼は半信半疑ながらもテーブルを囲んだ二人の男たちと共に、闇のディーラーを相手に『自分の魂を賭けたブラックジャック』を始める事を決意するが…
怪物に襲われた3人の男たちが『自分の魂』を賭けて闇のディーラーとブラックジャックで対決するという、オムニバス形式のオカルトホラー映画。
映像を観た瞬間に『何か随分と古臭い映画だなぁ…』と思いきや、どうやら本作は1995年に作られたカルト系ホラー映画の復刻版のDVDのようです。
自分は本作は知らなかったのですが、なんでも「ミミズバーガー」とか「人間ミンチ」とかの過去の有名(?)なカルト映画の復刻を手がけているレーベルからの発売のようで、急にこんな超マイナーな感じの作品が復刻された理由も納得。(一応、本作は日本初公開だそうです。)
(っていうか「ミミズバーガー」って、あんなゲテモノ映画も復刻されてたのかよ!!)
さて本作に関してですが、そんな20年近く前の聞いた事も無いようなカルト作品を復刻するぐらいだから、それなりに評価の高いものを選んでいるのだとは思うのですが…
ぶっちゃけ、そこそこ良く出来ているとは思うものの『わざわざ20年ぶりに復刻する程の作品か?』って言うのが正直なところですねぇ。
お話としてはオムニバス形式のオカルト映画という感じで、ノリ的には「トワイライトゾーン」とか「アメイジングストーリー」みたいなタイプのストーリーが中心。
ただ、何だか良く分からないままにモンスターに襲われて命を落とした(落としそうな)男たちが、自分の命を賭けてブラックジャックをするという構成は、ちょっと斬新かも?
3つの短編のオムニバス方式なのですが、1本目の作品は確かにインパクトのある内容でいかにもカルト映画って感じのノリで面白いですね。
殺人を犯した街のゴロツキが逃げ込んだ地下室に『老人の姿をした人食い悪魔が棲んでいる』という設定の訳の分からなさも凄いですが、更に構成の理不尽さに加えてモンスターのデザインがインパクト抜群なため、当時にコレを見せられたら確かに忘れなかっただろうと言うような印象はあります。
ただ2~3本目の内容はそれほどでもなく、2本目はいかにも「トワイライトゾーン」的な因果応報っぽいお話ですし、3本目は設定がとっぴ過ぎて『なんのこっちゃ?』という感じのノリになってしまっており逆に印象に残らない話になってしまっているのが惜しい。
3本とも1本目ぐらいのインパクトのある内容ならば、確かにブッ飛んでて忘れられないカルト映画になったかもしれないのですが…
また、タイトルにもなっている『闇のディーラー』に関しても、特にゲームで駆け引きが行われるような要素も無く、単にブラックジャックを1回やるだけでストーリーに殆ど関わって来ないのが残念なところ。
その辺の『ディーラーとの駆け引き』とかが、もうちょっとストーリーに組み込まれていたら、もっと面白くなったと思うんですけどねぇ。(単なるストーリーテラーとしても影が薄いですし…)
あと95年に作られた割には特撮のレベルがショボくて、どう考えても80年代レベルの映像なのですが、公開当時からやっぱり低予算映画だったんだろうなぁ…というのも分かってしまう感じ…
正直いまどきの映画に慣れてると、懐かしい作品だとは分かっててもちょっと辛いレベルなので、観るならばその辺は覚悟しておいた方が良いでしょう。
総評としましては、それなりに観れる内容だけど『いまどき改めて観る程の映画か?』と言われると『ちょっと微妙な印象を受けてしまう作品』ってのが正直なところ…
1本目の短編は結構インパクトがありますが、それ以外が微妙なので『敢えてオススメする程の映画か?』と言われると悩ましいところではあります。
その手のマイナー系のカルトホラーが大好きな人が、後学の為に観ておきたいというのであれば特に止める事はしませんが、そうでなければ改めてチェックする程のものでも無いような気もするので『気になる場合はお好みで…』といった感じの作品だと言えるでしょう。