NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ゾンビランド」(75点/コメディホラー:オススメ)

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■■■「ゾンビランド」■■■
(75点/コメディホラー:オススメ)

 人類の大半がゾンビと化した近未来。
 神経症でひきこもりの青年である『コロンバス』は、自分なりの『生き残るための32のルール』を作り、それを実践する事でゾンビから生き延びていた。

 しかし故郷のコロンバスを目指して大陸を旅していた彼は、ある日、ゾンビを狩る事を使命として旅を続ける、一人の『ハンター』と出会う。

 ハンターがタラハシーへと向かう事を知った彼は、ハンターの車に相乗りさせて貰って一緒に旅をする事となるが、途中で出会った2人の美人詐欺師の姉妹から、西海岸に『ゾンビに汚染されていない』と言われる「パシフィックランド」という遊園地があるというウワサを聞き…



 人類の大半がゾンビと化したアメリカで、それでも逞しく生きていく人たちの姿を描いた、ロードムービー風味のゾンビものコメディホラー映画。

 この作品は劇場で公開された時から気になっていつつも、観に行く都合が付かなくてスルーしてしまっていたのですが…

 いやー、コレは久々に『劇場で観ておけば良かった』と後悔しました。
 純粋に『コメディホラーとしてのかなりの良作』に当たる部類の作品だと思います。

 ストーリー設定としては『人類の大半がゾンビと化した世界で生き抜く人々』という感じの話でゾンビ映画としてはごく普通の設定なのですが、主人公たちが『今までゾンビの群れの中を生き抜いてきた人々』という設定のせいか、とにかく逞しくてしたたかで『悲壮感』が全く無いのがコメディとして良い感じ。

 更に、生き残るためにソンビ達を全く容赦なく豪快に倒しまくってくれるので、とにかく痛快で純粋に『観ていて楽しい作品』に仕上がっております。

 かといって、ゾンビを殺しまくるだけの中身の全く無い作品なのかと言うとそうでも無くて、主軸としては『主人公の青年の成長とラブロマンスの物語』が描かれており、『笑わせる』ばかりでなくて『ちょっとホロりとさせるシーン』とかもあったりと、ドラマとしてもかなりシッカリとした作りになっているのが良い感じ。

 登場する『主役の4人のキャラクター』も非常に個性的かつ魅力的で、本編中に『嫌なキャラクター』が全く登場しない(もちろんゾンビは除く)ので『変にストレスを貯めずに観れる』ってのも、ホラーコメディとして割り切った作りとして良いと思います。

 あと、主人公の青年が本編の中で幾度も語る『生き残るための32のルール』が、いかにも『ホラー映画の死亡フラグ』をへし折るようなものばかりで、ホラーファンであれば『あー、そういうのあるある!!』というような展開を華麗にスルーしていくのも、ニヤりとさせられる部分ですね。(『2度撃ち(ゾンビは1発余分に撃って確実にとどめをさせ)』とか…)

 非常に良く出来ているのですが、敢えて不満点を挙げるとしたら中盤の展開がちょっとだけ冗長で、ほんの少しダラけてしまった印象を受けたので、もうちょっと中盤の山場っぽい部分があっても良かったかも?

 ラストの『遊園地でのゾンビとの大乱闘』とか、かなり燃える展開で非常に熱かったですし、楽観的すぎる訳でもないけど悲観的すぎる訳でもないという『オチの落としどころ』もなかなか良い感じでした。

 あと、本編とは関係ない割とどうでも良い話なのですが、オマケの『解説ムービー』で本作の小ネタとかに関する説明とかが入ってるんですが、その中でビル・マーレイに関して全く説明が無い』のはどうなんだろう?
 まあ、こんな映画を観るような濃い人間なら、ビル・マーレイは知ってて当然という認識なのかもしれませんが、あそこまで小ネタを解説するぐらいならフォローがあっても良かった気も…


 総評としましては、コメディホラーとしては非常に完成度の高い『1年に1本出るか出ないかと言っても良いレベル』の良作と言える作品だと思います。

 ヌルそうなタイトルから『ヌルいコメディホラーなのかな?』と甘くみてましたが、なかなかどうして純粋にゾンビ映画としてもかなり良く出来た作品なので、『ゾンビ好きならば絶対に観ておいて損の無い一本』だと言えるでしょう。

 ちなみにホラーとしてはそこまでエグい表現はありませんが、そうは言ってもゾンビ映画なので『ゾンビをブッ飛ばしまくるようなシーン』は結構ありますので、『血を見るのが苦手』という人には流石にオススメしかねますが『怖いのが苦手』って人ならば観ても平気な作品かもしれませんね。