NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「DECODER デコーダー[解読者]」(45点/サスペンス)

イメージ 1

■■■「DECODER デコーダー[解読者]」■■■
(45点/サスペンス)

 ロンドンで大学に通うサラは親友のゾーイともにボーイフレンドのマルコムの棲むペントハウスに訪れるが、そこで彼らが趣味で世界中のコンピューターをハッキングする『ハッカー集団』の一員であるという、驚くべき秘密を知らされる。

 偶然にも、彼らがバチカンのデータベースにアクセスし『聖書の原典とされる「創世記」の預言に秘められた暗号を解読する』という現場に居あわせた彼女は彼らのハッキングの手伝いをする事となるが、ハッキングが成功したと思われた瞬間に彼らのペントハウスに異常事態が発生しシステムが暴走。

 そしてペントハウスへと閉じ込められた彼女たちを、驚くべき超常現象が襲い始めるのだった…



 聖書の暗号を解読した若者たちが遭遇する驚くべき現象を描いた、SF風味のオカルトサスペンス映画。

 聖書の暗号って言っても「ダ・ヴィンチ・コード」みたいなマジメなお話ではなく、ノリとしてはハッカー達が聖書の『預言』を解読してしまったせいで『神にも等しい禁断の力』に触れてしまい…って言うような感じの、なんとも中二病っぽい設定のお話ですね。

 お話の構成としては、序盤~中盤は主人公達に絡んだ『人間ドラマ』っぽいものと、バチカンのコンピュータにアクセスするためのハッキングの過程がサスペンスっぽく描かれて、この辺の流れやパートはなかなか面白いのですが…

 中盤以降は、バチカン使徒が超能力で主人公達のペントハウスに逆ハッキングをかけてきたり、主人公達が唐突に超能力に目覚めてみたりと物凄くトンデモな展開に突入してしまい、『何じゃコリャ?』って感じの映画になってしまいます。

 まあトンデモ設定でもお話自体が面白ければ良いんですが、お話の舞台はとあるアパートの屋上のペントハウスに固定されてて、登場人物が数名で特撮とか演出も地味なB級映画ですので、映画のスケールとストーリーのスケールに全く釣り合いが取れておらず、かなり無理矢理な印象があるのは困りもの。

 終盤は特に無理矢理でゴリ押しな展開も良いところなのに加えて、オチも『だから何なんだよ?』って感じの終わり方で意味不明。

 何となく、中二病アニメ的な『スケールの壮大な話』を作りたかったんでしょうけど、お話のスケールに内容が全く追いついて居らず、全く消化されていない印象ですねぇ。

 序盤~中盤はそこそこ悪くないんだから、終盤の展開も無理してあんなに壮大な設定にせずに『予算に見合ったスケール』で人間ドラマが中心の展開にしておけば、割と面白い作品になってたと思うんですけどね。


 総評としましては、やりたい方向性は分かるんだけど『無駄に風呂敷を広げすぎて微妙になってしまった映画』というような感じの作品ですね。

 アニメ的に言うならば、20年位前のOVAとかでありがちだったタイプの『無意味にスケールだけデカいけど中身はスカスカの作品』とでも言いますか…そんな感じのお話です。

 まあ設定やらは面白いですし観るに耐えないほど酷い作品でもないですので、オカルトサスペンス系の作品が好きであれば、暇つぶしに観てみる程度には良い映画かもしれません。

 ただ『レンタルで金を払ってまで観る程か?』と言われると何とも言えないところですので、ケーブルTVとかで放映されたら観てみる程度で良い作品かなぁ?