NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「スパイ・コード:CICADA 3301」(55点/サスペンス)

■■■「スパイ・コード:CICADA 3301」■■■
(55点/サスペンス)


 天才的な頭脳を持つハッカーであるコナーは、ある日、ネット上で伝説となっている謎の秘密結社『CICADA3301』の秘密のコードを発見し、解読に挑戦するが失敗に終わってしまう。


 しかし、その翌日に唐突にNSA(国家安全保障局)に逮捕された彼は、取引として彼の罪を見逃した上に大金を支払う代わりに『CICADA3301』の調査に協力して欲しいとの依頼を受ける。


 金策に困っていた彼はNSAの依頼を受け、豊富な知識を持つ友人のグウェンとアヴィと共に『CICADA3301』の暗号や謎かけを次々と解読していくが、そんな彼らを動物のマスクを被った奇妙な集団が襲撃し…

 


 天才的ハッカー集団の若者3人が、謎の秘密結社『CICADA3301』によって作り出された恐ろしく難解な暗号の解読に挑む…という、サスペンススリラー映画。


 いわゆるダ・ヴィンチ・コード」的な『暗号謎解き系のサスペンス映画』なのですが、別に宗教的な背景やドラマ的な要素はあんまりなくて、主人公たちが何者かによって出題された矢鱈と難解な『謎解きゲーム』に挑戦するみたいなお話ですね。


 物語の構成がやや独特な感じの作りの作品で、『ラストシーンから時間を遡っていく』みたいな感じでお話が語られていくのですが、主人公が虚言癖を持っており、ところどころで訳の分からない下ネタ系のシーンが挟まれたり、NSA職員が赤ちゃんマスクのコスプレをして登場したりとか、良く分からない独自テイストを持つシーンがあるのはブラックユーモア的なセンスでちょっと面白いです。


 お話のテンポも良く、独特のセンスで新しいシーンやらカットやらが描かれていくのの観ていて楽しくて良い感じ。


 ただ映像センスの良さに光るものはあるのですが、メインとなる部分である肝心の『謎解きドラマ』がいま一つ面白くないのは困りもの。


 主人公たちの挑戦する『秘密結社によって仕込まれた謎解き』が、『そんなのヒント無しじゃ解けないだろ』みたいな内容のものが大半なのですが、それを主人公たちが物凄い知識量とひらめきでスラスラと解いていくという展開が、いまひとつ非現実的すぎてどうにもすんなりと楽しめません。


 また主人公のキャラもいまいち立っておらず、『状況に流されて謎解きを続けている』みたいな感じで行動に主体性が感じられないため、お話に入り込めない部分が多いのは厳しいところ。


 壮大そうな設定の『謎の秘密結社』が登場する割には、ラストのオチも意外としょうもない内容ですし、ストーリー全体としてもうちょっと上手く作れなかったたもんかなぁ…というのが正直な感じでしたよ。

 


 総評としましては、独特のテイストはあるものの『いま一つ盛り上がりに欠ける謎解きゲーム系サスペンス映画』って感じですね。


 映像とか演出とかが面白いセンスなので、観るべき要素はそれなりにあるのですが映画の中身が希薄すぎてあまり記憶に残らない作品という印象。


 予告とかを見て、映像センスとか独特のテイストとかに惹かれたのであればチェックしてみても良いかもしれませんが、個人的には『謎解きゲーム』系の作品としてはちょっと物足りなさの残る内容でしたよ。