■■■「KKKをぶっ飛ばせ!」■■■
(50点/アクション)
1971年テネシー州。
無実の罪で刑務所に入れられた黒人男性のブランドンは、刑務所からの脱獄に成功して姉のアンジェラに助けを求める。
姉のアンジェラと兄のクラレンスの手引きによって、かつて祖父が保有していた人里離れた廃牧場にかくまわれる事となる。
しかし、その日の夜に近所で奇妙な女性の悲鳴を聞きその場所へと訪れたところ、黒人の女性が白い三角頭巾の集団によって処刑されそうになっている現場に遭遇。
その地域は、非道の白人至上主義結社であるKKKの支配する場所で、黒人の肉を食う狂気のカニバリスト団員のたちの縄張りだったのだ。
とっさに白人たちを奇襲して女性の救出に成功した彼だったが、逆に彼と兄弟たちの3人がKKKによって捕らえられる事となってしまい…
狂気の人食いKKK団員たちと黒人の兄弟たちが壮絶なバトルを繰り広げる…という、バイオレンスアクション映画。
まあ、なんというか『タイトルそのまんまの内容』とでも言いたくなるような、直球ストレートなバイオレンス作品ですね。
お話としては、『頭のおかしいKKK団員たちに捕まった黒人兄弟たちが、なんとかして拘束を逃れて血みどろのリベンジバトルを繰り広げる』という、ホントにそれだけの展開。
登場人物の軒並みが頭がおかしい連中ばかりで、『黒人の身体を解体して肉を食べるカニバリストのKKK団員』という設定も相当にヤバイのですが、それに対抗する主人公たちも同じぐらいヤバい連中で、『そこまで念入りにボコらんでもええやろ?』ってレベルの残虐ファイトでKKK団員たちをボコボコにしてくれて、なかなかに痛快です。
ネタの大半はブラックジョークのようななネタなのに加えて、アクションシーンの大半が『血みどろのバトルシーン』という塩梅で、とにかく『不謹慎なシーン』と『血しぶき』と『痛そうなシーン』のつるべ打ちという感じで、退屈する暇もないレベルの血みどろ具合で楽しませてくれるのは良い感じ。
ただバイオレンス描写は凄いのですがそれ以外の要素はほぼ皆無で、ストーリーらしいストーリーもなければキャラの掘り下げのような要素も殆どなし。
ただただひたすらに『KKK団員と黒人兄弟とが一触即発の血みどろバトルを繰り広げている』というだけの内容で、『全てが見せ場』とも言えるし『全く見せ場が無い映画』とも言えるような作りなのは困ったところ。
一応は山場みたいな物はあるのですが、山場も結局は残虐ファイトのシーンなので、ちょっとメリハリに欠けるんですよね。
血みどろシーンがウリのバイオレンスアクションとしては悪くは無いのですが、主人公・敵キャラを含めてもうちょっとキャラの掘り下げやらがあっても良かったんじゃないかなぁ…というのが正直なところですよ。(キャラがもっと魅力的に描かれてれば、もっと良い作品になってたと思うので…)
総評としましては、『イキオイだけで作られたようなバイオレンスアクション映画』という感じの作品です。
細かいことを考えずに、ひたすらブラックなノリの血みどろバトルを楽しみたいというのであればまあまあ楽しめる作品だと思いますが、それ以外のものを求めるとちょっと厳しい作品という印象。
そういう映画だと割り切って楽しむぶんには良い作品だと思いますので、とにかくひたすらに血しぶきとバイオレンス描写を観たいような気分の時にはオススメの一本かと…