NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「マッド・ハイジ」(55点/アクション)

■■■「マッド・ハイジ」■■■
(55点/アクション)


 チーズ製造会社のワンマン社長でありスイス大統領に就任したマイリは、自社製品以外のすべてのチーズを禁止する法律を制定。
 スイス全土を支配する恐るべき独裁体制を確立する。


 そして20年後。
 アルプスに暮らす少女ハイジは、お爺さんや恋人のペーターと共に暮らしていたが、ペーターはヤギのチーズを密造した罪でハイジの目の前で処刑され、唯一の肉親であるお爺さんまで殺されたうえに、ハイジ自身も反逆者として強制収容所に収監されてしまう。


 しかし、ハイジは収容所で激しい虐待を受けながらも、決して権力には屈せずに、復讐心に燃え収容所からの脱出しマイリへの復讐のチャンスを伺っていたのだった…

 


 チーズ製造企業によって支配されディストピアと化したスイスで、肉親と恋人を殺された一人の少女が復讐のために立ち上がる…という、バイオレンスアクション映画。


 名作文学作品であるアルプスの少女ハイジ」を題材としたバイオレンスアクション作品なのですが、なんというか色んな意味でツッコミどころの多い作品です。


 一応、アルプスの少女ハイジ」をベースとしては居るのですが、スイスを『チーズ会社のワンマン社長』が支配して、ディストピア化しているという辺りから既に色々とおかしい訳ですが、数少ない「ハイジ」要素であるキャラの設定からして既にツッコミどころが満載。


 お爺さんは『元レジスタンスのコワモテ武闘派ジジイ』ですし、羊飼いのペーターは『黒人でチーズ密売人のチャラ男』ですし、ハイジも『少女』といいつつも既に20歳ぐらいは越えてそうな雰囲気でカワイイというよりはクール系美少女というカオスっぷり。


 それでも序盤はまだ「ハイジ」っぽい雰囲気があるものの、中盤の強制収容所に収監された辺りからは、もはや『リベンジものバイオレンス作品』そのものといった感じで、『ハイジ要素はどこに行ったんだよ』みたいな展開。(一応、看守がロッテンマイヤーさん(ロットワイラーさんになってたけど)みたいなキャラだったり、同じ部屋の囚人にクララが居たりと、ちょっとだけハイジ要素アリ。)


 更に中盤のハイジが収容所から脱出したあとは、『ハイジが謎のジェダイマスターっぽい仙人(神様?)の元で修業してパワーアップし、大統領の軍隊に立ち向かっていく』という、もはやハイジ要素以前に『何の映画なんだよ?』という感じの超展開。(笑)


 これだけ聞くとハチャメチャで面白そうなのですが、低予算故に全体的にちょっと地味なのと、90分の尺に詰め込みすぎているせいで超展開が多過ぎて、どうにも全体的にグテグテ感が…


 ブラックなネタやらは割と面白いですしバイオレンス描写が強いのは良いのですが、後半の駆け足感と詰め込み感が強すぎるので、もうちょっと大統領軍とハイジとの戦いはシッカリと描いても良かった気がしますよ。


 あと、ハイジ要素はもうちょっと強くても良かったんじゃないかと…

 


 総評としましては、良くも悪くも『出オチ感の強いおバカ系バイオレンスアクション映画』って感じですね。


 低予算故にやや盛り上がりに欠ける部分はありますが、ネタ映画と割り切って楽しむ分には、まあまあ悪くない作品という印象。


 強く推すにはちょっと弱いですが、この手のバイオレンス系の映画が好きで、設定やらが気になっているようであればチェックしてみても良い一本かもしれませんよ。