■■■「ノー・エスケープ」■■■
(50点/サスペンス)
とある『野生体験を行う』という更生プログラムに参加する事となった、キャサリンらの6人の問題児の少女たちは、指導員とともに人里離れた山中にサバイバル行軍に出る事となる。
山火事の影響で未踏のエリアに踏み込む事となった彼女たちだったが、仲間の一人が負傷した事から途中で発見した山小屋の側へと避難するが、唐突に指導員が何者かによって狙撃されるという事件が発生。
彼女たちの入り込んだ場所は、山に迷い込んだ人間を狙って殺害する『人間狩り』を楽しむサイコなハンターたちの縄張りだったのだ。
少女たちはパニックを起こして山中を逃亡しつつも、理不尽な暴力で襲い来るハンターたちに決死の反撃を試みるが…
更生プログラムで山中にサバイバル訓練に訪れた少女たちが、人間狩りのサイコなハンターたちに追いかけまわされるという、バイオレンスアクション風味のサスペンス映画。
なんというか『ビックリするほど中身のないイキオイだけの映画』という感じの作品で、ホントに『人間狩りのサイコなハンター集団に少女たちが追いかけまわされる』という以外の内容が全く無いようなお話です。
序盤で主人公が『恋人からDVを受けている』みたいな設定が語られるのですが、それに対して主人公が恐怖を克服して自立するような展開がある訳でも無し…
他のヒロインたちも、レスビアンのカップルだったり、薬物依存の少女だったりと各々にキャラ付けがされている割には、それらのメンバーも特徴を活かしたような展開やフォローがある訳でも無し…
主人公たちを狙うハンター集団も何かのバックボーンとか動機のようなものが全く語られなくて、単に『キチ●イな人たち』という意外の理由も動機も無いような状態。
(チラっとそれっぽい新聞記事は出てくるけど…)
とにかくストーリーに関しては、いっさい中身が無く極薄な感じで語るべき部分が全くありません。
ただ、映画として全くツマんないかというとそういう訳でもなく、ひたすらテンポ良く襲撃シーンやらアクションシーンが観られるので、あまり退屈しない映画なのは良い感じです。
また襲撃シーンに関しても、ヒロインたちが何故か最初から『殺る気まんまん』で、襲い掛かるハンターたちに対して本気で殺すつもりで反撃を行い、実際にサクサクとハンターを返り討ちにしていくのはなかなかに爽快。
(むしろハンターたちがあまりに簡単に殺されるので、『もうちょっとシッカリしろよ』と応援したくなるレベル。)
この手のバイオレンス映画でありがちな『主人公たちがヘタレで攻撃が手ぬるくてストレスが溜まる』というような要素が一切ないのは、なかなか楽しめる要素という感じ。
リベンジものでも無いのに『逃亡したハンターをわざわざ追いかけて殺しに行くヒロイン』なんて初めて見ましたよ。
というか『お前ら戦闘訓練を受けても無いのに何でそんなに戦えるんだよ』とか『その攻撃性はどこで培われたんだよ』とか、逆にツッコミを入れたくなるレベルでした。
総評としましては、全体的に薄味で中身の無い映画だけど『そこそこテンポ良く楽しめるバイオレンスアクション映画』って感じの作品ですね。
内容が薄すぎるせいで色々とツッコミどころは多いですが、それなりに爽快感もあって息抜きに観るには良い感じの作品かもしれません。
ぶっちゃけ推す程でもないですが、観たいのであれば敢えて止めるほどでも無いような映画なので、気になっているのであればチェックしてみても良いかも…って程度の一本ではないでしょうか。