NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ウォーキング・ゾンビランド」(50点/コメディ)

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■■■「ウォーキング・ゾンビランド」■■■
(50点/コメディ)

 野球のボールが頭に直撃したせいで昏睡状態に陥っていた保安官のリンカーンは、28日後に病院で目を覚ますとゾンビウィルスの大流行により文明が崩壊している事を知る。

 なんとか妻と息子と再会するも妻をゾンビに襲われて失った彼は、病院で出会った若者たちが避難しているというショッピングモールを目指し、同じ頃、ゾンビになったものの人間としての自我を残しているロミオは、街で見かけた女性に一目惚れし、同じようにショッピングモールに訪れる。

 ショッピングモールで生き残りの人々と合流した彼らは、巷でウワサとなっているゾンビの居ない安住の地であるセイフ・ヘブン牧場を目指して旅をする事となるが…



 ゾンビウィルスの大流行によって文明が崩壊した世界で、生き残った人々(とゾンビ)が安住の地を求めて旅をするという、コメディホラー映画。

 タイトルから見ても分かるとおり、いわゆる有名どころのゾンビ映画をパロディにした作品で、ストーリーらしいストーリーの無い典型的なパロディ映画って感じのお話です。

 メインのストーリーは、タイトルそのまんまウォーキング・デッド」のパロディになっており、加えて「ウォーム・ボディズ」のネタも多めなので、この2本を観てないと『何が面白いのか良く分からない内容の薄い映画』って感じになってしまうかも?
 (他にもそれなりにパロディやらオマージュやらのネタは随所に出てくるのですが、ちょっと割合が低め。)

 映画の内容はパロディ映画としてはまあまあな感じで、オリジナルの作品のキャラクターやらを無駄に忠実に再現していたりして元ネタが分かればクスりと笑えるレベルなのですが…
 正直に言って、それ以上でもそれ以下でも無い作品という感じなんですよね。

 本作オリジナルのコメディ要素はシュール系のコメディを狙っているのでしょうが、寒いネタも多くてぶっちゃけあんまり面白くないんですよね…
 特に主人公が意味も無くゾンビじゃない人間を殺しまくったりするのは胸糞悪いだけで何も笑えません。
 ドラッグのネタとかも唐突過ぎて良く分からないですし、何と言うか笑いのツボが私とはちょっとズレている印象…

 また前述のとおり映画の本編もマトモなストーリーは有って無いも同然なので、ゾンビのものとしても緊張感も無くカタルシスも無いので、ホラーとして盛り上がる要素が全く無いのは困りもの。

 良く出来たコメディホラーってのはコメディ要素が無くても楽しめるようになってるものですが、本作はパロディの要素を無くすと観るべきところが殆どないという「最終絶叫計画」みたいな感じのパロディ主体映画で、その割にはパロディ要素もそこまで面白く無いのでとにかく全体的に盛り上がりに欠けるんですよね。

 特撮とかはそこまで酷いレベルじゃないしテンポが良いので観ていてダレないのは良い感じなのですが、本作ならではのオリジナリティに溢れるような要素も殆ど無いですし、他に印象に残ってるのはヒロインの姉妹が割と可愛かったって事ぐらいかなぁ?


 総評としましては、壊滅的にツマんなくは無いんだけどそこまで面白くもないという『イマイチ感あふれるコメディものゾンビ映画って感じの作品ですね。

 微妙ってだけで観るのが辛いような内容ではないですし、ウォーキング・デッド」を観た事がある人がパロディ映画として観るとそれなりに笑える部分もありますので、そういう『ネタ映画』として興味があるならばチェックしておいてもやぶさかでは無いでしょう。

 ただ、最近多い良質なゾンビコメディ映画と比べると、どうにもパンチに欠ける内容ですので、出来の良いコメディホラーを求めているのであれば、ちょっと微妙なチョイスの一本かもしれません…