NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

劇場にて「アイアンスカイ」を観てまいりました。

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 2018年。
 大統領選挙で再選を目指すアメリカ合衆国大統領は、投票で人気を得るために月面へと50年ぶりの月面への有人探査ミッションとして、初の『黒人宇宙飛行士』を着陸させる事となる。

 ファッションモデルでもある黒人のジェームズは無事に月の裏への着陸に成功するが、そこに巨大な『鉤十字型』の建造物を発見。
 慌てて地球に報告を行おうとするが、突如として現れたナチ親衛隊の軍服を着た男たちによって拉致されてしまう。

 驚くべき事に月の裏側には、戦争によって逃げ延びたナチスの残党により巨大な秘密基地が
建造され、虎視眈々と軍備を増強し世界を征服する計画が進行されていたのだ。

 ナチの次期総統候補で親衛隊の将校であるクラウスは、ジェームズの持っていた超高性能な小型コンピューター(iPhone)を発見
 このコンピューターを大量に手に入れれば超巨大最終兵器である『神々の黄昏』を起動する事が可能となると考えた彼は、地球への潜入ミッションを行う事となるが、彼にもう一つ恐るべき陰謀を抱いていたのだった…

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 月面の裏側に密かに秘密基地を作って逃げ延びていたナチスの残党が世界制覇の為に月面からUFOに乗って攻めてくるという、奇想天外な設定のSFアクション映画。

 『月の裏側にナチスの秘密基地があった』とかナチスがUFOで月から攻めて来る』という無茶な設定や、いかにもバタ臭いCMやポスターからも『物凄いB級臭さ』が感じられる映画ですが…

 いやはやコイツはヤバイ…ヤバイくらいに面白くて、これ以上ないぐらいに『B級映画らしいB級映画』でしたよ!!

 ナチスが月面に基地を作っている』とか有りそうで意外と無かった設定ですが、ナチスは戦時中に『空飛ぶ円盤』を真面目に研究していたという逸話もありますし、『もしかしたらホントにあるかも?』と思わせてしまうところが凄いところですね。

 お話の内容は、もう『これでもか!!』と言わんばかりにB級映画然とした作品といった印象。

 とにかくお馬鹿な設定と内容を大真面目に作っているという感じの内容で、随所に散りばめられたブラックユーモアやパロディがとにかく秀逸。

 そもそもアメリカの月面旅行の目的が『選挙で票を稼ぎたいがため』だけですし、ナチスの残党も何故か超技術で宇宙船や宇宙基地を作っちゃうのにコンピューターは物凄くアナクロなマシンを使っていて、iPhoneを手に入れたいが為に地球に攻めてくるという『んなアホな!!』という設定の連発。

 他にも各国から怒られそうな『ヤバい設定』が有りまくりで、月面からUFOが攻めて来た時に『どこの国の軍隊だ!?』と各国首脳が集まって会議をしている席で、北朝鮮の首脳が『実は我々が極秘裏に開発していたものだ』と起源を主張しだすってネタには思わず噴き出してしまいましたよ。(笑)

 ただ、序盤はブラックなユーモアを交えつつもややグテグテで地味な展開が続くため、『面白いんだけどちょっと冗長かな?』と感じる部分もあるのですが、そのグテグテっぷりすらも『良い意味でグテグテ』な感じなのが良い感じ。

 そして、その序盤の地味さを覆すぐらいの終盤の『ハジケっぷり』も物凄い!!

 特にナチスが攻めてきてからの展開は『最高に熱い』のに『最高にバカバカしい』という凄いノリの良さで、『巨大飛行船型の宇宙空母』からUFOの編隊が出撃して都市を攻撃するとか、もう作ってる人間のセンスの良さというか『分かってる感』が物凄くて終始ニヤニヤしっぱなし。

 ナチスの宇宙服や宇宙船のデザインもいかにも『ドイツ軍っぽいデザイン』になっており、その辺のセンスなんかも物凄く秀逸です。

 またネタバレになってしまうので詳しくは書きませんが、ナチスの侵攻に対する『アメリカと各国の対応策』に関しては思わず爆笑してしまいましたよ。

 オチの付け方なんかもなかなかブラックで良い感じですし、いやもう久々に『B級映画』を心行くまで堪能したという気分になれた一本でした。


 総評としましては、個人的には『10年に一本のレベルのB級映画の快作(怪作)』と言えるぐらい非常に楽しい作品でした。
 (ちなみにBDかDVDが出たら絶対に購入しますので、早く発売していただきたい!!)

 『お馬鹿なノリのアクション映画』や『ブラックなコメディ』が好きな人ならば間違いなく観ておいて損は無い作品ですので、B級映画大好きな人ならば是非ともチェックしておくべき作品でしょう!!

 またB級と言いつつも映像とかは割と迫力があるので、出来れば劇場で観ておいて欲しいところかなぁ?
 いや、ここまで『突き抜けたバカバカしさ』を持った作品はなかなか無いので、久々にマジでオススメの一本ですよ。
 (逆に『マジメなアクション超大作』と勘違いして観られると、ちょっとアレな内容かもしれませんけど…)