■■■「シン・宇宙戦争」■■■
(40点/アクション)
ある日、天文学者のアリソンは、火星で火山活動の無いはずの火星で火山の噴火らしき現象を観測。
火山の噴火と思われた現象は実は何らかの物体で、謎の飛行物体が編隊を組んで地球を目指している事を知る。
軍からの協力の要請を受けた彼女は、観測データを元に火星からの謎の飛行物体の動向を探るが、謎の飛行物体は実は火星人のUFOで、10機のUFOは地球へと飛来の直後にレーザーで地上を攻撃。
それぞれが「トライポッド」と呼ばれる3本足の侵略兵器を投下し、地上への侵攻を開始する。
トライポッドが『地球の環境を火星と同じ環境に作り変えるための兵器』で、このままでは地球の生物が壊滅してしまうと気づいたアリソンは、なんとかして火星人の侵攻を止めるための手段を探るが…
火星人による地球侵略を描いた古典SFである「宇宙戦争」の現代を舞台とした焼き直し版となる、SFパニック映画。
B級ホラー・パニック映画でお馴染みのASYLUMによる作品で、原題もそのまんま「2021 WAR OF THE WORLD」となっており、まさにH・G・ウェルズの「宇宙戦争」の現代版みたいな感じのお話ですね。
(邦題の『シン』要素はどこにあるのかと思いきや、主人公たちが天文台のレーザーを使って『ヤシマ作戦』みたいな事をするので、確かにその辺りはエヴァのリスペクトっぽい?)
作品自体はいままで何度も映画化やドラマ化されており2005年にはトム・クルーズ主演での映画化もされているので、映画化タイトルとしては今さら感はありまくりですが、『現代版』としてのリメイクの脚本自体は意外にもSFらしく良く出来ている印象。
主人公たちが録画映像から割り出した敵のシールドの周波数から『攻撃に有効なレーザーの周波数』を推測してトライポッドを攻撃してみたり、火星人の弱点はオリジナル版どおりに『病原菌』なんだけど、『火星人の生物学的な特徴から推測して生物兵器を作り出す』みたいな展開になっていたりと、意外なほどに設定自体は良く練られています。
(とは言っても本格SFじゃないので、科学考証にはハチャメチャな部分も多いですが…(笑))
ただ実際の中身の方は、その『良く練られた設定』がASYLUMらしい『低予算』と『ショボい作り』で、『ことごとくダメダメになっている映画』というのが非常に残念なところ。
序盤の『火星人が飛来するまでのプロセス』とかは、いかにも侵略SFの導入っぽくて良い感じなのですが、中盤辺りから予算不足が顕著に感じられる作りになってくるんですよね。
人類存亡に関わる事態の筈なのに、作戦に関わっている軍人が2人ぐらいしか居なかったり、キャストの人員や予算の節約のためか『登場人物がアップで喋る』だけのシーンが異常に多かったり…
宇宙人による侵略の状況(街が攻撃されて壊滅した…みたいなの)もセリフだけでの説明だったりと、状況や設定に対する説明の殆ど全部がセリフのみで行われる(映像を作る予算が無かったのね)ため、異常なぐらいに状況説明のセリフが多かったりするのも困りもの。
また登場人物の人数を節約するためなのでしょうが、主人公が天文学者の割には生物学に異常に詳しかったり、軍人が電気工学に矢鱈と詳しかったりして、『こいつらは何にでも知識を持ってる完璧超人ばかりかよ?』とツッコミを入れたくなるような設定なのも違和感がありすぎです。(笑)
また、火星人のトライポッドやUFOのデザインは、いかにも『ゲームのボスキャラっぽい有機的なメカ』って感じで割とカッコいいのですが、軍隊の映像とかに他の作品や実写映像の使いまわしっぽさが溢れているのも、いかにも低予算映画という感じ。
(もしかしたらトライポッドとかも他の作品の使いまわしかも?)
設定が割とシッカリと練られてる割には、低予算すぎるのとキャストが少なすぎるせいで、どうにも退屈でグテグテな映画になった感が強くて、『もうちょっとシッカリと予算をかけて作られていれば、そこそこ面白い作品になったかも?』と感じる部分もあったので、なんとも残念さの溢れる感じの映画でしたよ…
総評としましては、『低予算すぎて微妙な出来のSFパニック映画』って感じの作品ですね。
内容がショボすぎて、基本的には『退屈なだけの低予算SF映画』という感じですので、あまりオススメはしないかなぁ?
『宇宙戦争を現代風にアレンジするためのアイデア』としては割と面白い部分もあるので、そういう要素が気になるようであればチェックしてみても良い一本かもしれませんよ。