NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「デウス/侵略」(30点/サスペンス)

■■■「デウス/侵略」■■■
(30点/サスペンス)


 近未来。
 火星の軌道に突如出現した正体不明の巨大な黒い球体が出現する。


 謎の球体の正体を探るため、天体物理学者のカーラを含む6人の調査チームが結成され、宇宙船アキリーズ号へと乗り込み調査に向かう事となる。


 出発から8ヶ月後、謎の球体の軌道へと到着した彼らは、球体へと接近し分析を開始するも、正体は一切不明のまま。


 そんな矢先に接近する彼らに球体から謎のメッセージが発信され、解析の結果それは「DEUS(神)」という単語であると判明する。


 果たして、球体上に存在すると思われる地球外生命体の正体と謎のメッセージの目的は何なのかを探るために、彼らは謎の球体へと乗り込む事となるが…

 


 火星の軌道上に突如出現した異星人の構造物と思われる『謎の球体』の正体を探るために、調査チームが現地への調査へと赴く…という、SFサスペンス映画。


 設定だけ聞くと、なんとなく『ファーストコンタクトもの』っぽくて面白そうな設定なのですが、実際の中身の方はぶっちゃけて言うと微妙な出来のSFサスペンスみたいな感じのお話でした。


 何が微妙って、とにかくお話のテンポが悪い作品なんですよね。


 『雰囲気映画』的なスローテンポな演出のシーンが非常に多いのですが、雰囲気映画ってほど雰囲気や映像演出にこだわりがある訳でもなく、センスもそこまで良くなくて、宇宙船も謎の球体も全体像やら設定やらに妙に分かり辛いシーンが多いせいで、『テンポが遅いうえに何をやってるのか良く分からない』という、非常にグデグデ感の強い内容という感じ。


 序盤は、設定からし『ファーストコンタクトもの』の定番的に異星人とのコンタクトを試みる部分が描かれるのかと思いきや、何故だかなんとなくホラーっぽいノリの展開。

 もしかして『イベントホライズンのリスペクト系の作品か?』みたいに思って観ていたのですが、ホラーっぽいのは序盤のちょっとだけで、それとは別に終盤にかけて単なるファーストコンタクトものではなくて『意外な真実』みたいなのが発覚して予想外の展開に突入していく…みたいな構成。


 一応はサスペンスなので(そこまで大層なサスペンスでもないけど)、あまり本質的な部分のネタバレには触れないように感想を書きますが、最初の『ホラーっぽい展開』がミスリードにしても作品の全体的な雰囲気にあっておらず意味不明すぎですし、その後にお話がマトモに動き出すまでが無駄に長くてダラダラしすぎ…


 お話が動き出してからの、謎の球体に関する『衝撃の真実』みたいなのも矢鱈と唐突で『何のこっちゃ』って感じですし、終盤の展開が『地球外生命体とのファーストコンタクトもの』的な設定と親和性の無さすぎなのが困りもの。


 また、SF作品としても見せ場となるようなシーンも派手な展開も殆ど無いせいで、終盤とか割と危機的状況なのに緊張感らしきものが全く感じられない作りなのも困りもの。


 あと『地球から火星への調査旅行に8ヶ月かかる』という割とリアル寄りの設定のわりには、他の部分では結構トンデモ系な設定が出てきたりして、エンタメ寄りにしたいのかリアル寄りにしたいのか釈然としない部分も多いですし、どうにも中途半端で微妙な印象しか残らないような映画でしたよ。

 


 総評としましては、『微妙でグテグテな出来のB級SFサスペンス映画』って感じの作品ですね。


 なんとなく設定だけ読むと面白そうなSF映画にも見えるのですが、面白そうな要素の部分は作中に殆ど活かされていませんので、設定だけ観て期待してるような人は要注意。


 正直に言って特に推すような要素も無いですので、特別な理由も無いようでしたら普通にスルーしてしまっても問題のない一本ではないかと思いますよ…