■■■「CAVE ケイブ」■■■
(30点/サスペンス)
アフガンで戦友だったヴィクトル、アドリアン、チャーリーの3人は、山岳地帯の奥地にある人跡未踏の立ち入り禁止の洞窟へと探検へと向かう事となる。
しかし無人のはずの洞窟で何者かの足跡やテントを発見し、更にはそのテントの中で血痕まで発見した彼らは、不安なものを感じつつも洞窟の奥へと進む事となる。
しかし、そんな矢先に洞窟の通路の崩落によって退路を断たれてしまった事から、恐怖を感じつつもなんとかして出口へとたどり着こうとするが…
人跡未踏の洞窟に足を踏み入れた3人の男女が洞窟の中で恐るべき体験をするという、ノルウェー製のサスペンススリラー映画。
「ディセント」以降に『洞窟探検を題材としたシチュエーションスリラー映画』が増えた印象がありますが、本作もそういった亜流の一本という感じの作品ですね。
お話としては『前人未到の洞窟探検に訪れた男女が洞窟内で何者かの痕跡と血痕を発見するが、実はこの場所には秘密があって…』みたいな感じの展開。
洞窟の神秘的な雰囲気や映像はなかなか良い感じに撮れており、洞窟探検ものとしてはそこそこ楽しめる印象。
ただスリラーとしての部分が非常に弱い感じで、特に序盤~中盤にかけてはあらすじの途中にも書かれている『洞窟内部で発見した謎の痕跡』以外にコレといった盛り上がる要素が殆ど無くて、探検部分に関しても全体的に緊張感が薄いため、どうにも退屈です。
終盤には盛り上がる要素もそこそこ出てくるのですが…
ここからはネタバレになってしまうので若干改行。
***** ネタバレ改行 *****
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序盤にいかにも秘密がありそうな感じで謎を提示しておきながら、サスペンス要素が『実は三角関係の痴情のもつれが原因でした』という妙に安っぽい展開なのに加えて、序盤で意味ありげに出てきた『キャンプと血痕』とか全く解明されないどころか『関連性のないままに話が進んでいく』ため、とにかくお話が盛り上がらないうえにスッキリしないので、ぶっちゃけ『なんじゃそりゃ?』としか言いようがありません。
ラストもたいした山場とかも無いままに殺人犯が倒されて終わりですし、とにかく緊張感が薄くて謎解きも中途半端。
最後に登場したオッサンも何者か分からない(殺人鬼の父親?)ですし、途中で発見した謎の死体とかも説明が無く投げっぱなしで終わってしまうので、観終わった後に非常にモヤっとします。
登場人物のキャラの掘り下げもイマイチで、殺人犯にも特に魅力が感じられなくて単にキモいだけの人みたいな感じですし、全体的にどうにも面白味に欠けます。
エンドロールで「CAVE 2」というタイトルが表示されるので、『実は何かの続編だったのか?』と思って調べてみても、特にそういう訳でも無いさそうですし…
もしかして『続編に続く』というオチだったりするのかな?
だとしても続編が日本に来るかどうかも怪しいですし、来たとしてもそもそも観ないと思うので、なんかもう『どうでもいいわ』という感じの映画でしたよ…
総評としましては、何を描きたかったのか良く分からない感じの、とにかく微妙という言葉以外が思いつかないようなサスペンススリラー映画です。
洞窟の映像はそこそこキレイなのでそれだけは評価できますが、サスペンスとしての部分が色々と投げっぱなしで酷すぎるので、普通に『サスペンスを楽しみたい人』はスルーしてしまって良い感じの作品ではないかと…
もし見るにしても、(あるかどうか分からないですが)続編が作られてスッキリと観れるようになってから鑑賞した方が良い映画だと思いますので、それまで待ってから観た方が良い感じの一本ではないかと…