NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「レジデント」(60点/サスペンス)

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■■■「レジデント」■■■
(60点/サスペンス)

 デンマークコペンハーゲンの郊外にある閑静な住宅街で、世界各地で発生しているという正体不明の感染症が発生。
 街は完全武装した軍隊と医師団によって巨大な壁に囲まれて閉鎖され、人々には外出禁止令が出されてしまう。

 住宅街に住む若者のグスタフは、向かいの家に住むガールフレンドのソニアの家が軍隊によって暴行を受けているらしき現場を目撃した事から、こっそりと夜中に家を抜け出して彼女の様子を見に行こうとする。

 しかし軍隊から逃げるように屋外を探索するうちに、感染者の隔離施設で軍隊によって感染者たちが射殺されているのを目撃し…



 謎のウィルスによるパンデミックによって隔離された郊外の住宅街で起こるパニックと恐怖を描いた、サスペンス風味のモンスターホラー映画。

 デンマーク製のゾンビ映画ですが、欧州ものにしてはあまり悪趣味さの無い割とオーソドックスな感じの作品ですね。

 ゾンビものではありますがサスペンス要素の非常に強い感じの構成で、途中までゾンビものという事すら分からないような作りになっており、ある意味で独特のテイストのある作品という印象。

 雰囲気映画的なノリが非常に強くて、なんでもない平和な日常が徐々に非日常へと浸食されていくという恐怖が非常に丁寧に描かれており、『何か不気味な事が起こりはじめている雰囲気』やら『緊張感のあるピリピリとした空気』の表現は非常に良く出来ています。

 また、半分ぐらいのシーンが『主人公たちの住む家の中』だけで展開されていくのですが、主人公たちが街に広がるパニックによって徐々に心理的に追い詰められていき疑心暗鬼に陥っていく様子が非常に丁寧に描かれており、登場人物のキャラクターも良く立っているため閉鎖環境を舞台としたドラマとしてシッカリと楽しめるレベルになっているのは良い感じ。

 ただ、雰囲気映画としての空気感やら演出やらは非常に良く出来ているのですが、とにかく『ゾンビがなかなか出てこない』のは困りもの。

 中盤までの展開が、『外で何かが起こっているらしい』っていうのを窓から様子をうかがうって程度のシーンが殆どで、ゾンビやらパニックの描写に関しても『観てきた人の伝聞で知らされるだけ』みたいな感じなので、流石にちょっと冗長で退屈してしまいます。

 お話の終盤とかは結構盛り上がりますし、ラストの付近の絶望感は半端ないのでゾンビ映画としても普通に見どころはあるのですが、やはり『もうちょっと中盤あたりから山場になるようなシーンが欲しかったなぁ…』ってのが残念なところでしたよ。


 総評としましては、やや地味目な作品ながらも『なかなかに良く出来たオリジナルのゾンビ映画って感じの作品ですね。

 欧州テイストは控えめですが雰囲気映画としても割と良い感じですし、サスペンス要素の強めのシリアス系のゾンビものとかが好きであればなかなか楽しめる映画だと言えるでしょう。

 そういうテイストの作品が好きならばそこそこオススメできる内容だと思いますので、気になるならばチェックしておいても損は無い一本だと思いますよ。