NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「エスター ファースト・キル」(60点/サスペンス)

■■■「エスター ファースト・キル」■■■
(60点/サスペンス)


 2007年、アメリカで暮らすオルブライト夫妻は4年前に6歳で行方不明になった娘のエスターの事にいまだに心を痛めて、その心の傷から立ち直れないでいた。


 そんなある日、行方不明だったエスターがエストニアで保護されたという驚くべき知らせを受け取った夫妻は、彼女を施設から保護。


 帰ってきたエスターは自分の過去の事をあまり話したがらないものの、非常に聡明で芸術に才能を発揮し、画家である父親にベッタリでかつての幸せな暮らしが一家に戻ってきたかに見えた。


 しかし、かつてのエスターの失踪を調査していた刑事は、帰ってきたエスターの正体に不審なものを感じはじめ…

 


 『どこか奇妙な少女』を巡る秘密と彼女の関わる事件の顛末を描いた、「エスター」の前日譚にあたるサイコサスペンス映画。


 時系列的にはエスター」前作の事件を起こす前の『孤児院に引き取られる以前』に起こった事件に当たるお話ですね。


 『ドンデン返し系のサスペンス映画』として既にかなり有名になっているエスター」に関して、流石にいまさらネタバレに配慮する必要はないとは思うのですが、新作の方は『視聴者が前作を観ている事』が大前提として作られており『初っ端から前作のネタバレが満載』の内容となっているため、もし前作を観ていない場合は先に前作を観てから鑑賞する事をオススメします。


 前作は『謎の少女エスターの秘密』がお話の焦点としてサスペンスが組み上げられていたので、最初から秘密が判明している時点で『あれの続編っていったいどんな話を作るんだろう?』と疑問に思いつつ観てみたのですが…


 これが、『まさか、そうきたか!?』って感じのなかなかに予想外の展開。


 あまり内容に触れるとネタバレになってしまうため細かい部分の感想は避けますが、本作もシリーズの伝統とでもいう感じの『ドンデン返し』の仕込まれた構成で、中盤以降は全く先の読めない展開の連発で思った以上に楽しませてくれました。


 ただ、タイトルに『ファースト・キル』とか付いてる割には、エスターが割と冒頭から容赦なくバシバシと人を殺しまくるので、ぜんぜん『ファースト・キル』って感じじゃないのは困りもの。


 まあ、その部分も含めてのミスリードなのかもしれませんが、ちょっと『思ってたのと違ったなあ』というのが正直な感想でした。(笑)


 あと『前日譚』って位置づけからオチが先にある程度は読めてしまうのは、サスペンスとしてちょっと弱い部分ではあるかなぁ?


 この辺は『前日譚』ものの宿命ではあるので、いたし方ない部分ではあるんですけどね…


 あと、一番ビックリしたのは当時に子役で「エスター」を演じていた少女が、本作でも「エスター」役として出演しているという事。
 もともと若く見られる顔つきなのかもしれないけど、それにしても本作の一番の衝撃ポイントでしたよ。(笑)
 (大人役の俳優が全員厚底ブーツを履いたりして、身長を誤魔化してたらしい…)

 


 総評としましては、予想外の形で『意外に良く出来た前日譚もののサスペンススリラー映画』って感じですね。


 前作のドンデン返し的な展開が好きだった人が、本作を観てどういう感想を持つかは微妙ですが、エスター」としてのキャラは前作以上に良く立っている内容だと思いますので、キャラ作品としては十分に観る価値のある一本かも?


 まあ、それを抜きにしても普通に良く出来たサスペンススリラー映画ですが、逆に『前作を観てない人』が観るには微妙な部分のある内容ですので、その辺だけは注意が必要かな…