NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ハンティング・ナンバー1」(40点/サスペンス)

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■■■「ハンティング・ナンバー1」■■■
(40点/サスペンス)

 ドラッグの売人でアルコール中毒のウォーレンは、ある日、事故で取引相手を殺してしまった事が原因で、逃亡するためにメキシコの恋人の元へ向かう事となる。

 アメリカとメキシコの国境にあるベッド・フォードプラッツという寂れた町にたどり着いた彼は、酔って意識を失っているところを何者かに拘束されてしまう。

 実は狩猟都市であるその田舎町は、年に一度の『狩猟祭』として犯罪者やよそ者をターゲットとして荒野に解き放ち、ハンターたちによって狩りを行うという恐るべき伝統のある町だったのだ。

 異常な事態に混乱しつつも、他のターゲットたちと共に逃走をするウォーレンだったが、やがて生き延びるためにハンターたちに逆襲を開始していくのだった…



 アルコール中毒でドラッグの売人の男が、田舎町で『狩猟祭』と称する人間狩りのイベントのターゲットとして命を狙われる事になる…というサスペンススリラー映画。

 タイトルやパッケージを見ると、なんとなく『人間狩りを題材とした派手なアクション映画』っぽいですが、実際の中身の方はなんというか『アル中のダメ男を主人公とした地味目のサスペンススリラー』って感じの作品です。

 お話としては、『アル中のドラック売人の男が逃亡するためにメキシコ国境を目指すんだけど、国境の町では『狩猟祭』と称する人間狩りのイベントが行われており、そのターゲットとされてしまい…』みたいな感じの展開。

 理不尽に命を狙われる元軍人のダメ男が主人公という感じですが、シチュエーションとしては割とありがちな印象のお話ですね。
 主人公が人間狩りに巻き込まれる前に既にギャングから命を狙われていたりとか、重度のアルコール中毒でアルコールが切れると戦闘力が著しく低下したりとか、プロットとしてはなかなか個性的で面白い要素も多いです。

 ただ前述したとおり、どうにも地味で全体的に盛り上がりに欠ける内容なのが困ったところ。

 町を挙げての人間狩りといいつつも、主人公たちを追うハンターとして参加するのは5~6人程度。

 ターゲットとなる5人も、特に見せ場も無いままに速攻で3人ぐらいが殺されてしまうので、どうにもお話的に盛り上がる暇がありません。

 登場するキャラが少ないからといって、主人公とハンターたちの対決を濃く描いた内容なのかと言われるとそうでも無く、ターゲットもハンターたちもそこまで個性が無いせいで、対決要素が全体的に面白味に欠けるのも残念なところ…

 また、舞台となる場所が割と何もない『荒野』で、主人公たちが淡々と逃げているだけのようなシーンも多く、ロケーション的にも変化に乏しいために観てる途中でちょっと飽きてしまうのも残念なところかなぁ?

 終盤で明かされる『ハンターの一人が実は過去に秘密を持っており』という設定は、ちょっと意外性があって面白かったのですが、お話がそこにたどり着くまでが結構長くて正直言ってダレてしまいました。

 主人公の描き込みが薄いせいでラストのバッドエンド風の投げっぱなしオチもいま一つ締まらない感じですし、パッケージにはファンタスティック映画祭で高評価』みたいな感じの煽り文句が書かれていましたが、どこの映画祭で高い評価を得たのか聞いてみたいところですよ…


 総評としましては、正直に言って『いま一つ盛り上がりに欠ける感じのサスペンススリラー映画』って感じの作品です。

 そこまで悪くも無いのですが、どうにも見せ場に乏しくダルい部分が多くて残念な印象ばかりが残ってしまう映画でしたよ。

 まあ、HuluとかNetflixとかのネット配信とかで観るのであれば、それなりには楽しめる内容だとは思いますので、気になるならばそういうところでの配信を待ってチェックしてみるって程度でも良い感じの一本かもしれません。
 (なんとなくNetflixの担当者とかが好きそうなタイプの作品ですし…)