NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

【ホラー映画の基礎知識(4)】こんな殺人●●は嫌だ!!Part-1

 「ホラー映画の基礎知識」の4回目です。

 ホラー映画と言えば、殺人鬼、殺人生物、殺人ウィルス等々々…と、お馴染みのように非常に『殺人●●』(●●は任意の単語)という何かが登場する場合が多いです。

 今回は、この『殺人●●』にスポットを当て…といっても普通の殺人鬼では無い、ちょっと風変わりな『殺人●●』について。

 長くなりそうなネタなので、Part-1では<無機物系>Part-2では<生物系>と2回に分けて。

 一回目の『こんな殺人●●は嫌だ!!Part-1』は、機械とか物とか<無機物系>の『殺人●●』に関してです。



『こんな殺人●●は嫌だ!! Part-1』

<無機物系>

■■■殺人洗濯機■■■
(出展:「マングラー」)

 悪魔に憑り付かれた洗濯機が人間を襲うという、設定だけ聞くとトンデモ系なホラー映画。
 でも実は、結構な隠れたB級ホラーの名作です。

 洗濯機と言っても、この映画に登場するのは普通のご家庭用の全自動洗濯機みたいな奴じゃなくて、業務用のシーツ専用の洗濯機とプレス機を兼ね備えた様な巨大なマシンです。

 プレス機の機能も付いてるもんだから、うっかり巻き込まれた人間は、プレスでたっぷり潰された後に、アイロンで押しつぶされて、更にコンパクトに折りたたまれて殺されてしまうと言う、想像だに恐っろしいマシンだったりします。

 原作はキングの「人間圧搾機」、こっちのタイトルの方がイメージとしては的確に伝わりますね。

 ラスト付近の、巨大な洗濯機が悪魔の顔になって階段を上って追いかけてくるシーンは、怖いんだか笑えるんだか…って感じで、トビー・フーパーらしい悪乗り具合がステキな感じです。

 最近、続編が作られたようですが、洗濯機でもマングラーでも何でも無くなってて、そもそも「マングラー」の続編だと言われないと気付かないような駄作だとか…結構好きな作品だけにガックシ。


■■■殺人冷蔵庫■■■
(出展:「リフジレイター」)

 悪魔に憑り付かれた冷蔵庫が…(以下略)
 ちなみに、こっちは正真正銘のZ級のトンデモ映画。

 冷蔵庫がどうやって人を殺すかというと、基本的には中に入った人間を閉じ込めて窒息死させる訳ですが…

 普通に生活してる人間が好きこのんで冷蔵庫の中に入る事なんて、そうそうある訳も無いので、自力で動いて電気コードで人間を絡め取ったりといった大技も使います。

 でも大型の冷凍庫とかならともかく、所詮はただの家庭用の冷蔵庫…
 はっきりいって、やる事なす事地味な事この上ないです。
 『悪魔に憑りつかれても怖くない物』のトップクラスに属するかも?


■■■殺人エレベーター■■■
(出展:「悪魔の密室」、「ダウン」)

 超高層ビルに設置されたエレベーターが意思を持って人を殺しまくるという、かなり特異な設定のホラー映画。

 オリジナルは「悪魔の密室」という昔のホラー映画だそうなのですが、こちらは未見でリメイク版の「ダウン」のみを鑑賞しました。

 物がエレベーターだけに、急降下して人間を墜落死させたり、ドアに挟んで動けなくなった所を胴体轢断したりといった技を駆使して人間を攻撃します。
 それだけじゃなく急上昇して、窓から放り出すとかって荒技も使ってみたり…

 基本はエレベーターに乗らなければ良いのですが、舞台が流石に100階を越える超高層ビルディングなので、簡単に乗らずに済ますという訳にも行かないのが困り物です。

 映画の内容は、いわゆるB級のパニック映画。
 まあ、所詮はエレベーターだしね…
 ちなみに、コイツは単純に悪魔が憑り付いたとかではなく…


■■■殺人電話機■■■
(出展:「ダイアル・ヘルプ」)

 殺人電話って言うと、最近流行りの「着信アリ」のような『死の予告電話』を想像しちゃうと思いますが…

 コレはそんな予告なんてまどろっこしい事はしないで、電話機そのものが人間を襲っちゃうという、かなりムチャな感じの映画です。

 っていうか、『電話機がどうやって人を襲うんだ?』と疑問に感じるかもしれませんが、正確には人を襲うのは『電話交換機』で、記録用のオープンリールの磁気テープを触手のように伸ばして被害者を絡め取ったり絞め殺したりしてしまいます。

 オープンリールのテープに主人公の女性が絡め取られるシーンは、ちょっとだけセクシーだったり…。

 映画の内容は、謎の電話を受け取った主人公が電話の発信元を調べるうちに…といった感じのミステリー仕立てで、殺人者の霊が電話交換機に憑り付いてるとかって話だったような気が…

 観たのが随分以前な上に超マイナーな映画なので、流石に記憶が曖昧です。
 なんか酷く退屈で、眠くなるような映画だった事だけは覚えていますが…


■■■殺人電気コタツ■■■
(出展:「バトルヒーター」)

 電気ゴタツの姿をした怪物(妖怪?)が、コタツに当たろうとした人間を足元からバリバリと食べちゃうという、トンデモ系ホラー映画。

 普段は電気ゴタツのふりをしてて、『天板の上にミカンとお茶を置く事で人間をおびき寄せる』っていうアホな設定が相当笑えます。

 どっちかというと、かなりコメディ色の強い内容で、人間が襲われるシーンや怪物との対決シーンなんかも、非常にコミカルに描かれているのが特徴です。

 …ってまあ、そもそも電気ゴタツが人を襲うシーンなんか真剣に描いても、それはそれで笑えるだけでなんでしょうけど。

 サンプラザ中野が坊さんの役で出演していたりと、変なところで話題性の強い映画でした。。


■■■殺人雪ダルマ■■■
(出展:「キラースノーマン」)

 護送中の連続殺人犯の乗った護送車が、遺伝子に変異を引き起こす化学薬品を満載したタンクローリーと雪道で衝突事故を起こし、薬品を浴びて体を溶かされてしまった殺人犯の細胞が雪と一体化して、殺人雪ダルマとなって蘇る…

 という、もうこれ以上無いぐらいバカバカしい設定のスラッシャーホラー映画。

 殺人鬼が雪に一体化ってのは分からなくも無いですが、何故に雪ダルマ!?
 ハッキリ言って、見た目だけでも相当ウケます。

 この雪ダルマが見た目に似合わず超凶悪で、体からツララを飛ばして攻撃したり人間を包み込んで凍死させたりと、やたらと芸達者。
 しかも基本的に体が雪なので、とんでもなく狭い隙間から侵入してきたり、溶かされても水になるだけで、温度が下がると元に戻ったり…と、とんでもない無敵っぷりを発揮します。

 しかし、そんな殺人雪ダルマにも超意外な弱点が……

 ネタバレになるので言いませんが、この弱点ってのが思わず『おおっ!!』と膝を打つような爆笑物の弱点なのですよ!!

 個人的には超オススメのバカ映画なのですが、結構古い上にDVDにもなってないので入手は困難かなぁ?


■■■殺人コンドーム■■■
(出展:「キラーコンドーム」)

 「エイリアン」のデザインで有名なH.R.ギーガーの描く所の、『殺人コンドーム』のイラストを『見た目だけを元にそのまま映画化しちゃいました。』といった感じの、とんでもないZ級のホラー映画。

 もともと、とんでもないネタだけで作られた映画なので、ストーリーなんて有って無いも同然な訳ですが、一応この殺人コンドームは狂信的な怪しげな組織が遺伝子操作だか何だかで作り出した怪物って設定だったかと…

 まあ確かにコンドームにアソコを喰いちぎられるなんて、男性にとってみれば悪夢そのものな訳ですが…

 ギーガーのイラストを忠実に再現した殺人コンドームのデザインは秀逸で、H.R.ギーガー本人も絶賛していた程なんですが、まあホントにそれだけの映画です。

 所詮はZ級のトラッシュホラーなんで、まあ話のネタ的に観ておきたい人だけどうぞ…って感じでしょうか?


■■■殺人トマト■■■
(出展:「アタック・オブ・ザ・キラートマト」)

 もう敢えて説明の必要も無いであろう、究極のZ級バカ映画。

 アメリカに突如として出現した殺人トマトの軍団が人間を襲撃…といった本当にそれだけのお話な訳ですが……

 襲撃といっても、どうみても単に熟れ過ぎたトマトを投げつけられてるだけだったり、トマトがプカプカと水に浮かんでいるだけだったりと特に何をしてくる訳でも無いのに、襲われた人間は勝手に怖がって悲鳴を上げながら次々と絶命して行きます。

 トマトが何故人間を襲うか?とか、何故襲われた人間が絶命するのか?といった事に対する説明なんか一切ありません!!

 更に、途中で巨大なトマトの姿をした『トマト大王』なるものが出てくるのですが、コレがどうみてもハリボテでオマケに足元にはキャスター付き!!

 その他、諸々にツッコミどころは満載なんですが、もう突っ込むのもバカバカしくなるような徹底したクズっぷりで、そもそも突っ込まないで済むシーンの方が少ないような内容なので、『これはこういう映画なんだ』と割り切って観るしかないです。

 ちなみに、この無敵の殺人トマト軍団にも弱点があって、それは『「恋する思春期」という恐ろしくヘタなアカペラの歌を聴かされると、無力な普通のトマトに戻ってしまう』と言う事。

 っていうか、「マーズアタック」の火星人の弱点って、やっぱコレが元ネタなのかなぁ?
 教えて偉い人!!

 映画の評価なんて、ここで私が改めて行う必要も無いであろう、超有名なクズ映画ですが、まあクズ過ぎてある意味笑える内容ではあるので、興味がある人はネタとして観ておいても良いのではないかと……



■■■殺人ケーキ■■■
(出展:「アタック・オブ・ザ・ジャイアントケーキ」)

 何かもう、この辺になると説明を書くのも嫌になってきたんですが、早い話が『殺人トマトのケーキ版』みたいなギリシャの映画です。

 ちなみにタイトルにはケーキと書かれていますが、実際にはケーキなんて1mmも登場せずに、人間を襲うのはギリシャ料理の『ムサカ』という食べ物。

 油で揚げたナスを重ねて間に挽肉を挟んだ、言ってみれば『ナスと挽肉のミルフィーユ』。

 『ムサカ = ミルフィーユ = ケーキ』という論法だとでも言うのでしょうか?

 っていうか、どう見てもケーキじゃないやん。

 謎のUFOから怪光線を浴びたムサカが巨大化して人間を襲う…って感じの話なんですが…

 あー、もう何かどうでもいいです。
 ギリシャ人の考える事は良く分かりません。

 キラートマトみたいに有名なのならば、まあネタとして観ておいても良いんじゃないとも思いますが、この映画じゃあ『何それ?』と言われるのがオチで、話のネタにもなりません。

 つーか、普通に観ないで良いです。




 そんな感じで、今回は「こんな殺人●●は嫌だ!! Part-1」をお送りしました。

 しかし、もし『殺人●●』に襲われて死ぬのだとしても、こんな物達には襲われたく無いですな…。
 雪ダルマやコタツに襲われて死んだのでは、情けなくて成仏出来そうにありません。

 次回は、Part-2の<生物系>の風変わりな『殺人●●』について語る予定です。