NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「殺人バグズ ~大量発生~」(50点/生物パニック)

■■■「殺人バグズ ~大量発生~」■■■
(50点/生物パニック)


 全世界で増え続けるゴミの問題を解決するために、PDRテクノロジー社は全てのゴミを分解してコンピューターで制御可能な『ケプリ』という新型のゴキブリを開発する。


 社長で科学者であるチェ博士は、各国に売り込むために何十万匹もの『ケプリ』を海上を輸送する事となるが、航海中の事故で貯蔵タンクから『ケプリ』が逃げ出してしまったうえに、何故かコンピューターでの制御が不能となり、次々と人間を襲い始めてしまう。


 ケプリの襲撃を生き延びた航海士のチャオ・ジャンホーと娘のスーハンは、他の生存者たちと共に脱出の術を探るなか、チェ博士じゃ事件を隠蔽するためになんとかしてゴキブリの制御を取り戻して極秘裏に事態を解決しようとするが…

 


 遺伝子操作によって作り出された何でも食べてしまう『殺人ゴキブリ』の大群が制御不能となり人間に襲い掛かる…という、生物パニック系ホラー映画。


 最近大量生産されている中国製のモンスター映画やらパニックホラー映画の一本で、良く使われてそうなシチュエーションなんだけど意外と少ない『殺人ゴキブリ』が人間を襲う系のホラー映画ですね。


 プロット的には『ゴキブリの群れが軍隊アリのように集団で人間に襲い掛かってくる』というようなシチュエーションの映画なのですが、ゴキブリが基本的にCGで描かれているせいか、そこまでリアル感の無い『小型ロボットのような雰囲気』になってしまっており、ゴキブリが苦手な人にもそこまで嫌悪感は無さそうな印象


 襲撃シーンに関しても、犠牲者が『ゴキブリ津波に飲み込まれる』みたいなシーンが殆どで、虫系の大群もの作品としてはいま一つ気持ち悪さやら迫力が薄くて、ちょっと物足りなさがあるのは気になるところです。


 ただ、襲撃シーンのワンパターンな感じを避けてビジュアル的な面白さを出すためか、襲った人間を『ゴキブリ人間』に変化させてコントロールするという「ザ・ネスト」のハイブリッドゴキブリみたいな技を使ってきたり、終盤では更に『別の形態』での攻撃方法を見せてくれたりするのはなかなか面白いです。


 また襲撃シーンはちょっと迫力不足なのもの、ストーリーそのものはテンポも非常に良いうえに割と凝った構成になっており、終盤にかけては意外性のある先の読めない作りで面白いですし、ラストにかけての展開も無駄に熱くて良い感じ。


 メインの登場人物のキャラの掘り下げもシッカリとしてて、それぞれのメインキャラにキチンと見せ場がある作りなのは悪くないのですが、『ここは俺に任せてお前は先に行け!!』的な自己犠牲っぽいシーンが作中で7~8回ぐらい繰り返されるのは、流石にワンパターンすぎていかがなものかと…(笑)


 あとゴキブリに襲撃された際に、ゴキブリたちが毒を持っている訳でも無いのに、みんな『ゴキブリにちょっと噛まれたぐらいで異常にうろたえすぎだろ』とツッコミを入れたくなったのは自分だけですかね?(まあ、心理的に嫌な気分なのは分かるけど…(笑))

 


 総評としましては、まあ『そこそこ見れるレベルの生物パニックホラー映画』って感じの作品ですね。


 強く推すほどではないものの、息抜き程度に片手間にサクッと見る程度には楽しめる一本だと思います。


 ただ『殺人ゴキブリ』というシチュエーションを期待して観ると、ちょっと気持ち悪さやら迫力からが不足しているので、そういう『昆虫群体もの』的な方面に期待している場合は物足りなさを感じる作品かもしれないので要注意ですよ。