NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ホワッツ・イン・ザ・シェッド」(30点/モンスター)

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■■■「ホワッツ・イン・ザ・シェッド」■■■
(30点/モンスター)


 両親を亡くし、暴力的な祖父に引き取られて暮らす高校生のスタンは、ある日、自宅の納屋の中に怪物のような姿の不審な男が潜んでいるのを発見。


 不気味な男を追い出すために番犬を放つも、怪物によって一瞬にして八つ裂きにされて殺され、また彼の話を聞き、様子を確認するために小屋に入った祖父までもが殺害されてしまう。


 異常な事態に動揺し、小屋の入り口に鍵をかけて怪物を閉じ込めたスタンだったが、彼の話を聞いた親友のドマーは『怪物を利用して自分たちをいじめる不良グループの面々を罠にかけて殺害しよう』という恐るべき提案を行い…

 


 とある高校生の自宅の納屋に怪物(吸血鬼)が隠れていることが発覚し、それを利用して自分をいじめた不良たちに復讐を企てようとする…という、モンスターもののサスペンスホラー映画。


 うーん何というか、一言で言ってしまうと『なんだコレ?』って感じの映画ですね。


 お話としては、『町はずれにある主人公の家の納屋に唐突に吸血鬼が出現(この吸血鬼にどんなバックボーンがあるのかは最後まで不明)して、祖父を殺された主人公がかろうじて納屋に閉じ込めるんだけど、その存在を知った友人が「いじめっ子に復讐するために利用しようぜ」みたいな事を言い出して、警察や主人公のガールフレンドも絡んできて混迷を極めた展開に突入していく…』みたいな感じのストーリー。


 一応はモンスター映画なんだけど、どちらかというと『本当に怖いのは人間の復讐への執念』みたいな感じで、人間ドラマ要素が強めの作品という印象です。


 この主人公が両親を亡くして暴力祖父に引き取られていたり、それを契機に学校で虐められていたり、ガールフレンドを不良に寝取られて微妙な関係だったり…といった風に、なんか色々と複雑な家庭の事情があるお話となっているのですが、当然ながらこの辺の心理描写とかにかなり多くの尺が割かれているのですが…


 ぶっちゃけ、その人間ドラマ部分が面白いならば良いのですが、内容がドラマとしてもあんまり面白くも無いのは困りもの。


 全体的に物凄くどうてもいいような『会話シーン』とか『夢の中のシーン』みたいな場面が妙に多くて、メインとなる部分のお話がなかなか進まないので、非常に冗長で見ていてちょっとイライラしてしまいます。


 主人公の過去のトラウマとか現在の境遇とかが丁寧に説明されてはいるのですが、矢鱈と暗い話なうえに盛り上がるような要素もないので、正直言って『キャラの掘り下げはこの半分ぐらいの尺で良かっただろ?』と思ってしまいましたよ。


 終盤のお話が動き出してからの展開はそれなりに面白いのですが、終盤で唐突に小屋に閉じ込めてただけで特にコミュニケーションも取らなかった『吸血鬼との対決シーン』を『吸血鬼と主人公の確執』とか『宿命の対決』みたいなノリでお話を描かれても、『いや、あなた今まで全く存在感なかったよね?』という微妙な気持ちになってしまったのは自分だけ?


 ちなみに引っ張った割には、ラストの対決シーンもたいして盛り上がるような要素もありませんし、全体的に何を描きたかったのか釈然としない感じのモンスター映画でしたよ…

 


 総評としましては、『どうにも盛り上がりに欠けるB級モンスター映画』って感じの作品です。


 サスペンスとしてもモンスター映画としてもパンチに欠ける内容で、正直あまりオススメ出来るような要素はないかなぁ…


 個人的には、よほど気になるとかでなければ普通にスルーしてしまっても問題の無い一本だと思いますよ。