NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「バトル・オブ・モンスターズ」(60点/モンスター)

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■■■「バトル・オブ・モンスターズ」■■■
(60点/モンスター)

 子供を身篭ったまま実家に帰ってしまった恋人のソニアを追って田舎町へと訪れた粗忽(そこつ)者のマッコイは、ソニアの機嫌を直してもらうためにソニアの父のネスターと共に誕生日パーティを行う事となる。

 使用人の紹介する近くの怪しげな村で子豚を安く仕入れてきた彼は、キッチンに子豚を置いておいたところ、その子豚は実は人肉を食らう吸血鬼『TIKTIK』の変化した姿で、深夜に本性を表して怪物の姿へと戻ったTIKTIKはソニアのお腹の子を狙って襲い掛かってくる。

 なんとか怪物を撃退したマッコイだったが、その頃には既に怪物の仲間たちが彼らの家を包囲しつつあったのだった…



 田舎町に住むとある一家を吸血鬼『TIKTIK』の群れが襲うという、フィリピン製のモンスターホラー映画。

 フィリピンの吸血鬼というとアスワン(アスワング)というのが有名ですが、『TIKTIKって何なんだよ?』と思いつつ観てみたところ、原題に「TIKTIK THE ASWANG CHRONICLE」というサブタイトルが付いていたり、本編中では吸血鬼の事を『アスワン』と呼んでいる事からやはり吸血鬼アスワンを題材としたモンスター映画みたいですね。(現地ではTIKTIKって言う呼び方もあるのかしらん?)

 アスワンと言えばコウモリの翼を生やした獣人だったりオオカミに変身したりするという伝承がある怪物ですが、本編中でも怪物は吸血鬼というよりも獣人系のモンスターというイメージで描かれている感じ…

 お話としては、怪物の集団に目を付けられた一家が襲撃してくる怪物の群れとガチバトルを繰り広げるというような内容で、アクションシーンが主体のホラー映画って感じですね。

 モンスターの襲撃シーン以外にもカーチェイス(といっても獣人化したモンスターとのチェイスですが)のシーンがあったりと、低予算ながらも色々と盛り上がる要素を盛り込もうと頑張っているのは良い感じ。

 モンスターも序盤はゾンビみたいな外見でそこまで面白味が無いのですが、後半になると狼男みたいのが出てきたり、翼を生やした悪魔みたいな外見になったりと色々とバリエーションを持たせて楽しませてくれます。

 全体的にバトルシーンに無駄にイキオイのある感じの作品なのですが、特に終盤のアスワンの大群相手に大立ち回りを繰り広げる派手なバトルシーンは一見の価値あり。

 ニンニクと塩が苦手な怪物に対して『ニンニクエキス入りの霧吹き』や『ニンニク味のスナック菓子』を武器にして戦う姿は、コミカルなんだけど矢鱈とカッコ良くて色んな意味で笑えてしまいます。
 (でもスローモーションの映像を多様しすぎなのは、ちょっと鬱陶しいかも…)

 ただ終盤の熱い展開はなかなか良いのですが、序盤から中盤の展開がちょっとだけダラダラした感じでいま一つ盛り上がりに欠ける部分がある事や、主人公や周辺の人物の性格が最後まで良く分からずにいま一つキャラに感情移入できないのは難点かなぁ?

 怪物に関しても何で使用人と内通していたのかも意味不明ですし、あそこまで主人公たちを執拗に狙う理由も良くわかりませんしね…
 (仲間を一人殺されたからって、いちいち一族全員で攻めてくるのは流石に無茶すぎるだろう)
 その辺のストーリーをもうちょっと分かりやすく描いてくれたら、もっと説得力のある感じの内容になって良かったと思うのですが…


 総評としましては、ややグテグテな内容ながらも『そこそこ良くできたバトルアクションもののモンスターホラー映画』って感じの作品ですね。

 フィリピン製のホラー映画ってのが珍しいのに加えて『アスワン』という吸血鬼を扱った作品も他にあまり聞いたことがありませんので、ちょっと目新しいモンスター映画を求めているのであればチェックしておく価値のある一本だと思います。

 全体的に荒削でイキオイ任せな部分も多い映画ですが、無駄に高いテンションも良い感じですしそこそこ見どころもありますので、モンスターバトルものの作品とかが好きなのであれば割とオススメの映画ですよ。