NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「BILLABONG ビラボン」(45点/モンスター)

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■■■「BILLABONG ビラボン」■■■
(45点/モンスター)

 亡くなった祖父からの遺言を聞くために、7年ぶりにオーストラリアの奥地の帰ってきたニックは、弟のトリスタンから祖父の残した『アボリジニに土地を譲るように』と書かれた遺言書を見せられる。

 そんな矢先に大企業から土地の買収を打診された彼らは、土地を企業に売るべきかどうかで悩むが、企業が買収の影に不審なものを察知した事から幼馴染たちとともに調査したところ、彼らの祖父が研究していたアボリジニの伝説の怪物『バニヤップ』が関わっている事を知る。

 同時にその頃、実家に遊びに来ていた弟の友人の一人が湖に出かけたまま行方不明となってしまい…



 オーストラリアに伝わる伝説の怪物『バニヤップ』の復活とそれを阻止しようとする人々との戦いを描いた、モンスターホラー映画。

 『怪物の名前が「バニヤップ」だったらタイトルの「ビラボン」って何やねんバカボンの親戚かなんかかよ?』と思いきや、どうやらこのタイトルはアボリジニの言葉(?)で『湖』という意味のようです。(怪物の封印されている場所が『湖』という設定。)

 とまあタイトルの話はさておき、内容の方はそのまんまアボリジニの伝説の怪物を題材としたモンスターホラー映画という感じの内容ですね。
 自分はこの怪物の事は知らなかったのですが、調べてみた感じだと水陸両生の獣人みたいな生き物のようです。

 お話としては、『オーストラリアの奥地に住む若者が祖父から『土地をアボリジニに返すように』という遺言を受け取るんだけど、それと同時に企業から土地を買収したいという打診があり、不審に感じて調べてみたところ祖父が調査していた『バニヤップ』という怪物を狙っている事を知り…』みたいな感じのストーリーです。

 伝説の怪物を巡って『主人公とアボリジニたち』、『謎の企業』、『怪物』が三つ巴の戦いを繰り広げる…みたいな感じの展開なのですが、正直言ってアボリジニの人たちの影がいまひとつ薄くて、あんまり三つ巴って感じはありません。

 企業の側も『3人の少女を生贄にささげる事で怪物の封印を解いてから捕まえて軍事利用しようと目論んでいる』みたいな設定なのですが…

 いまどき『怪物を捕まえて軍事利用』みたいな設定もアナクロな感じですし、そもそも封印を解く前から怪物はその辺をウロウロしてたので『怪物を捕まえたいなら別に封印を解く事にこだわる必要は無かったんじゃ?』みたいな感じで、どうにもツッコミどころが多くていまひとつストーリーに入り込めない印象。

 また、『ヒロインが主人公と過去に確執がある』という設定があったり、『怪物を狙う組織の首謀者が実は主人公の義父だった』といった感じの設定があるのですが、どちらも取って付けたような設定のうえにお話のなかであまり設定に関わるエピソードが消化されておらず、なんというか全体的にストーリーに雑な作りの印象があります。

 まあモンスター映画ですので、細かいストーリーはさておきモンスターが大暴れしてくれればそれなりに楽しめるのですが、そちらの方も正直言って微妙な感じなのが困りもの。

 モンスター映画にしては尺が長めで2時間弱あるためにお話のテンポが悪くて冗長な感じですし、モンスターもCGの予算が足りなかったのか武装集団を相手に大暴れする』という最大の見せ場のシーンで出し惜しみしまくりで殆ど画面に映らなかったりといった感じで、どうにも物足りません。

 ラストの怪物退治の方法も矢鱈とアッサリしてて盛り上がりに欠けますし、オチも『えっ、そんな終わり方で良いの?』みたいな感じでスッキリしない内容ですし、全体的にもうちょっとどうにかならんかったかなぁ…って感じの作品でしたよ。


 総評としましては、『イマイチ』という言葉が非常にしっくりくる感じのモンスターホラー映画ですね。

 殆どの要素が及第点を満たしているものの、どの方向を向いても物足りない内容という感じで、どうにも印象に残らない感じの作品でしたよ。

 まあ、アボリジニの伝説の怪物『バニヤップ』が登場するという意味では、他にあまり聞いたことが無いタイプの作品とも言えるので、そういう方向で興味があるならチェックしておいても良いのではないでしょうか?