■■■「100年後...」■■■
(55点/ゾンビ映画)
夫の死により、ペンシルバニアの片田舎にあるカルートンという村で古い屋敷を相続する事となった母親のカレンと娘2人のタニー一家は、森の中の古びた一軒家へと引っ越す事となる。
慣れない環境にとまどう彼女たちだったが、娘のサラが街に買い物に出た際に『森の中には子供のゾンビが出る』という奇妙な噂を聞かされる。
100年前に炭鉱の落盤事故で、多くの子供達が生き埋めになった事を知ったカレンは、その噂を不気味に感じるが、やがて次女のエマが誰も居ない筈の廃鉱で、メリーと名乗る一人の少女を合ったと言い出すようになり…
森の中にさまよう子供たちの霊がゾンビとなって人間を襲うという、モンスターホラー映画。
パッケージだけ見ると「28日後...」とかの類似作品かと思いますが、別に設定にも何所も似ている部分は無く、ノリとしてはオカルト風味のサスペンスホラーといった感じのお話です。
こんなパッケージにして「28日後...」みたいな内容を期待して借りた人が居たら、ちょっとショックを受けてしまうんじゃないかと思うのですが…
かといって原題の「ZOMBIES」ってストレートすぎるタイトルもいかがな物かとは思うので、どっちにせよタイトルのセンスには恵まれていない作品ですな。
内容としては本格的なゾンビ映画という感じでは無く、どちらかというとオカルトスリラー風の展開で、残虐描写とかもそれほど強烈ではありません。
子供のゾンビ達が、無表情なまま黙々とツルハシやらショベルやらで大人たちをメッタ打ちにするのは、なかなか不気味で「チルドレン・オブ・ザ・コーン」や「ザ・チャイルド」とかを彷彿とさせます。
しかし、報われない子供の霊が復讐の為にさまよう…って設定は分かるのですが、何故に『ゾンビになって人間を食うのか?』って辺りが、まあいかにもアメリカ映画風ですな。
全体的にゆったりとした作りのお話でストーリーの展開は遅いですが、サスペンス仕立てなのでそこまで気にならないものの、ラストまでこれといった盛り上がるシーンが無く、見せ場に乏しいのは残念なところ。
また全体的にキャラクターの個性が弱くて、キャラクターが殺されるシーンの緊迫感が無く、復讐の対象となっている『炭鉱主の子孫』も妙に影が薄くて子供たちの殺人の動機やらがいま一つ印象が薄いのは難点かと…
総評としましては、サスペンスホラーとしては割と及第点な作品だと思いますが、『ゾンビ映画としてはどうなの?』って感じの作品ですね。
作品の雰囲気やらは良いので、ゾンビの部分にあまり期待せずに観れば『まあそこそこ楽しめる作品』だと思いますので、『テイスト的に気になってる人ならどうぞ』といった感じの一本だと言えるでしょう。
少なくとも『謎の伝染病』とか『人類存亡の危機』とかは全く関係ありませんので、そっち方面に期待してる人は間違って観てしまわないようにご注意を…