NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「マザーハウス 恐怖の使者」(60点/サスペンス)

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■■■「マザーハウス 恐怖の使者」■■■
(60点/サスペンス)

 1981年のベネズエラ
 失業中の夫と2人の息子と共に暮らすドゥルセは、11月11日に弟のロドリゴを事故で喪ったのに加えて、その日の深夜の11時に夫のホセが何者かに殺害されたうえに、長男のレオポルドまで家の中からこつ然と姿を消すという奇妙な現象に遭遇。

 警察は彼女を殺人犯として逮捕し、家族を殺害した容疑で終身刑を言いされた彼女は刑務所に入れられる事になってしまう。

 それから30年の2011年の11月、30年ぶりに保釈されて家に帰ってきた彼女の更生を担当する事になった神父は、『家が家族を奪った』と主張する彼女の話を聞きその奇妙な事件を調べるうちに、この家に隠された驚くべき秘密を知る事となるのだった…



 住人が次々と消滅し奇妙な事件が相次ぐ謎の屋敷に住む女性が遭遇する恐るべき体験を描いた、オカルト風味のサスペンスホラー映画。

 グルジア製のサスペンスホラー映画』という時点でかなり珍しい作品ではあるのですが、内容の方もちょっと特殊な設定&構成のサスペンスとなっており、なかなか一筋縄ではいかない作品という感じですね。

 お話としては30年前に奇妙な事件によって家族を失った女性が、事件の真相を探っていくうちに屋敷に隠されていた驚くべき真実へと辿りつくという感じの内容。

 序盤はいわゆるオカルト風味の謎解きサスペンスという感じなのですが、単なるオカルトホラーなのかと思っていたらサイコスリラー的な要素があったり、序盤で意味不明だった事象が後半での謎解きの意外な伏線となっていたり、なかなかに意外性のある凝った構成になっているのが面白いです。

 あまり言うとネタバレになってしまうので書きませんが、本国で絶賛された作品というだけの事はあって、謎解きのプロットの上手さやら終盤での予想外で先の読めない展開はなかなか良かったですね。

 ただ構成やらプロットやらは面白いと思うのですが、映画全体で観るとちょっと冗長な部分の多い作りなのは残念なところ…

 お話の構成上、主人公の過去のエピソードと現代で謎解きを進めるエピソードが交互に進むような構成のため時系列がちょっとわかり辛くて、加えて話がなかなか前に進まないのでちょっとイライラさせられました。

 人間ドラマ的な要素も終盤で伏線として活きてくるものの、中盤まではちょっと退屈に感じてしまう部分になってしまっているので、もうちょっと随所に見せ場のある緩急をつけた構成にして欲しかったかも?

 またオカルトホラー的な要素があるものの、恐怖演出があまり怖くないってあたりも退屈さを助長している感じなので、その辺がもう少し上手く作られていればなぁ…

 まあでも、ラストの謎解きでお話が一本に繋がって上手く腹に落ちる感じの展開は非常に面白かったと思うので、それ以外の部分でちょっと勿体無い印象を受ける作品という感じでしたよ…


 総評としましては、予想以上に凝った構成の『意外と良く出来たサスペンスホラー映画』って感じの作品です。

 やや冗長で退屈に感じる部分はあるものの、作品全体としては良く出来ており観るべき要素も多い作品ですので、気になっているならばチェックしておいても損は無いと思います。

 謎解き要素が思ったよりシッカリと作られているので、そういった謎解き系のサスペンス映画とかが好きな人なら、間違いなく観ておいて良い一本だと思いますよ。