■■■「マッド・レイジ Z」■■■
(25点/アクション)
2101年、アルゼンチンのプエノスアイレス。
大規模な最近戦争によって世界の文明は崩壊し、生き残った人類は細菌兵器によってゾンビ化した『ドライピープル』の脅威にさらされながら、数少ない資源を奪い合って生き延びていた。
そんな最中、記憶を失った一人の男が死体の山の中で目を覚ますが、目を覚ました直後にドライピープルに襲われていたところを、通りかかった男によって救われたと思いきや、その男は実はギャングの一員で彼はギャングによって捕らえられてしまう。
ギャングに処刑されそうになっているところを、同じギャングの仲間と思われる『喋れない少女』の手引きで脱出に成功した彼は、逃走中に自分に『ドライピープル』をコントロールする能力があることを発見。
ギャングたちに復讐を果たすために『ドライピープル』を率いて襲撃をかけるが…
細菌戦争で文明が崩壊しゾンビたちが徘徊する世界で目を覚ました記憶喪失の男が、生き延びるために無法者の集団に戦いを挑む…というゾンビ版マッドマックスっぽい世界観のアクション映画。
「ゾンビ」+「マッドマックス」という世界観だけ聞くと、いかにも凄く面白そうな設定の作品という印象を受けますが、実際の中身の方はなんというか物凄く地味で残念な出来という感じの作品です。
一応はプロットとしては『ギャングの一味と戦う記憶喪失の男が主人公のアクション映画』で、更にゾンビ軍団まで登場する…という内容ではあるんですが、『一人の主人公』に対して『敵対するギャング団もメンバーが4~5人』しか居らず、『彼らを襲撃するゾンビ軍団も最大で10人程度』しか登場しないので、物凄く狭いコミュニティの内輪の戦いという感じで、まあとにかくスケールが小さいです。
ストーリーに関しても、主人公の記憶がなかなか戻らないままに釈然としない状態でお話が進んでいくので観ていてモヤモヤしますし、記憶が戻った後も主人公の過去にたいした秘密がある訳でも無くて、なんというか拍子抜け。
このたいして面白くもない割に無駄に引っ張るストーリーに加えて、前述のとおりアクションシーンも小規模なうえに迫力がなくて盛り上がらない感じなので、観ていてとにかく退屈です。
設定も全体的に説明不足で、結局『ドライピープル』っていうのが何なのかも良く分かりませんし、ヒロインが主人公をどうしたいのかも釈然としませんし、主人公の過去とギャングたちがどう関わっているのかも不明。(なんか、それらしい設定は語られるのですが、基本的に投げっぱなし…)
主人公やヒロインもキャラが全く立っていないですし、ギャングの連中は下品で胸糞悪いだけですし、すべてのキャラに全く魅力が感じられないのも辛いところ…
ラストのオチも何が言いたいのか意味不明ですし、最後まで色んな意味で観るのが辛い作品でしたよ。
尺が短くてそこまでテンポが悪くないので、冗長すぎて眠くなるようなことが無いのは良い点といったぐらいかなぁ…
総評としましては、色んな意味で『イマイチ…というかイマサンぐらいに盛り上がりに欠ける地味なアクション映画』という感じの作品です。
「ゾンビ」+「マッドマックス」という感じの世界観や設定は悪くないのですが、それ以外に観るべき部分も全くなくて、正直オススメできる部分は見当たらないかなぁ…
ネタ映画としても弱すぎるので、余程の物好きでなければ普通にスルーしてしまっても問題ない作品だと思いますよ。