NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「PORTALS ポータルズ」(25点/サスペンス)

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■■■「PORTALS ポータルズ」■■■
(25点/サスペンス)


 2020年8月。
 とある研究施設が人類で初めてブラック・ホールを作り出すことに成功。
 しかし、その後に宇宙で発生した謎の爆発によって全世界で大規模な停電が発生してしまう。


 更に時を同じくして、世界中のあちこちで謎のポータル(扉)のようなものが出現し、ポータルに近づいた人間を次々と吸い込んでいくようになる。


 停電から3日後に、都会でのパニックを避けるために、妻のアンドレア、幼い娘のケイトと共に街を脱出することとなったアダムは、家族と共に車で郊外へと向かうが、移動中に突如として目の前に出現したポータルに激突するという事故に遭遇。


 一人で病院で目を覚ました彼は、妻と娘の行方を医師に聞いても回答が要領を得ないことから、徐々に不信感を抱くようになっていくが…

 


 全世界に出現した謎の「扉」によって起こる『人類存亡の危機』と、その扉の秘密を探ろうとする人々の戦いを描いた、SF風味のサスペンス映画。


 何といいますか簡単に説明するなら、地球上に突如として出現した『謎のポータル』によって人類が危機にさらされるという設定の、『難解系の低予算SF映画』みたいな感じの作品ですね。


 お話の切っ掛けが『人工ブラックホールの生成』となっている事からなんとなく方向性は分かると思うのですが、多元宇宙とか異次元とかが題材になった感じの設定のお話なのですが、なんというかコレがとにかく分かりにくいです。


 まあSFなので多少難解でも良いのですが、本作の場合は設定が難解というよりもとにかく説明不足で、最初から最後まで『分かったような分からないような展開』が続くという困った作品という印象なんですよね。


 何が分かりにくいって、いちおう『ポータルに車で衝突して妻と娘が行方不明になった男性』を中心としてストーリーを描きつつも映画全体がオムニバス形式のマルチストーリーみたいな構成になっており、本編の流れとは別に『その頃に世界の他の場所で起こった事件』みたいなのが要所要所で差し込まれるという構成なのですが…


 メインのストーリーである『ポータルの秘密』に関する謎解きが全く行われない状況でオムニバスのサイドストーリーが差し込まれるうえに、このサイドストーリーがメインのストーリーとあまり関りが無いうえに、謎解きの手がかりとなっている訳でも無いので、ぶっちゃけ意味の分からなさに拍車をかけているだけんですよね。


 更にサイドストーリーはサイドストーリーで圧倒的に説明不足で、そっちはそっちで『意味が分からない投げっぱなしのお話』を見せられるような構成となっているため、お話の全体像が分かり辛くて観ていて単に混乱するだけなのは困りものです。


 多視点で作品を描くことで『群像劇』的なノリを描きたかったのかもしれませんが、群像劇というのは『共通認識的なシッカリとした世界観』があって初めて成り立つもののはずなのに、本作ではメインもサブもシッカリとした説明がなく『意味が分からない話』を延々と見せられている感じの内容で、ぶっちゃけ観ていてイライラしてしまいましたよ…


 お話の終盤になると、一応は『謎解き』っぽい部分が語られてストーリーの全体像らしきものが見えてくるのですが、こちらもなんのことやら良く分からない説明のままなうえにラストも投げっぱなしなオチ。


 この作品がネタバレされても困る人はほぼ居なそうなので書いてしまいますが、メインのテーマであると思われるポータルの創造主の『高次生命体』っぽい存在の目的も判然としないですし、『ポータルの向こう側』に行った人たちがどうなったのかも謎のまま。
 最初のブラックホール生成』との関りも意味不明ですし、事件を解決しようと研究している人類の科学者も何を研究してるのか良く分からないという感じで、流石に説明不足にもほどがあります。


 なんというか独特の世界観の難解SFみたいな設定のくせに、肝心の設定を説明する気もないような構成のため、お話の肝心の部分を読み解くことでできずに制作者の自己満足作品になってしまっているとしか感じられないような作品でしたよ…

 


 総評としましては、良く意味が分からないうえにテンポの悪い『微妙なSFサスペンス映画』としか言いようが無い作品です。


 雰囲気映画として楽しむにしても、流石に説明不足が過ぎるうえに、そこまで雰囲気映画としてもセンスが良いわけでもないので、正直に言って楽しめる要素が存在しませんでした。


 あまりオススメするべき要素もないため、予告とかで見てよほど気になっているとかで無ければ普通にスルーしてしまっても良い作品だと思いますよ。