■■■「シンクロニシティ」■■■
(50点/サスペンス)
タイムマシン開発に情熱をかたむける科学者のジムは、ある日、遂にタイムマシンによって時空にワームホールの出口を開く実験に成功。
タイムマシンの完成まで目前に迫るが、完成を間近にして罠に落とされてパトロンで宇宙開発企業のトップであるクラウスにその権利を奪われてしまう。
彼はクラウスの陰謀から逃れるために、タイムマシンの最終実験を利用して過去へと戻り、自分を陥れた謎の女性であるアビーの正体を暴き歴史を改変しようと試みるが、彼の行動によってタイムマシンに関する予想外の事実が発覚していき…
タイムマシンの開発を行う一人の科学者が罠に陥れられた過去を改変するためにタイムトラベルを行うが、そこで思いがけない事態に遭遇するというタイムトラベルもののサスペンス映画。
いわゆる最近流行りの『タイムリープ系(というかタイムループ系?)のSFサスペンス』って感じのお話ですが、タイムリープものらしく非常に難解なストーリーの作品ですね。
お話としては、『タイムマシンの開発を行う科学者が罠に陥れられた過去を改変するために何度も時間遡行を行う』という感じのタイムループ系の展開で、お話が展開していく毎に『実はあのシーンの裏ではこういうドラマが起こっていたのか』とか『あのシーンのセリフはこういう意味があったのか』という感じの謎が解明されていくという流れは、タイムトラベルもののサスペンスらしくなかなか面白いですね。
ただ、タイムトラベルものらしくストーリーが非常に難解なのはお約束という感じでパッケージにもそれらしい事が書かれているものの、タイムパラドックスとかにそこまで複雑な仕掛けが無いため、タイムトラベルSFものとしては比較的理解しやすい方かも?
お話そのものはタイムリープものとして悪くない感じなのですが、SF作品としてはかなり低予算で作られているためにとにかく地味な内容なのが残念なところ。
タイムトラベルの表現も物凄くアッサリしており『えっ、今のでタイムトラベルしたの?』とツッコミを入れたくなるぐらいの地味っぷりで、どうにも観ていて物足りません。
お話の主軸も、一人の科学者が『大企業に奪われた権利を取り戻す』という私怨がらみのものと『謎の女性とのロマンス』という、恐ろしく私的な内容を中心に展開していくため、いまひとつ盛り上がりに欠けるんですよね。
また、メインのタイムトラベルの設定の部分以外で割といい加減な設定の部分が多く、主人公が『タイムトラベルの成果を証明するために、利権を独占しようとする企業の作った「特殊な遺伝子配合のダリア」を実験に使った事からタイムマシンの権利を奪われる』みたいな設定なのですが、『植物なんてクローンがいくらでも簡単に作れるのに、特殊な遺伝子配合だからってタイムトラベルの証拠としては不十分じゃないの?』とツッコミを入れたくなったのは自分だけ?
あと、ちょっとネタバレになってしまいますが…
ちなみに自分は、だいたいのストーリーは理解できたもののラストのオチだけが良く分からなかったのですが、アレは単に『パラレルワールド的な解釈』って事でOKなんですかね?
総評としましては、凄く面白い訳でも無いもののツマんなくもないという『普通レベルのSFサスペンス映画』って感じの作品ですね。
まあちょっと地味で盛り上がりに欠ける内容ではありますが、タイムループものの作品が好きならばそこそこ楽しめる一本だと言えるでしょう。
まあまあ可も不可も無いレベルのSF映画という感じですので、そういうジャンルが好きで気になっているならばチェックしてみても良いかもしれません。