■■■「アサイラム・バスターズ」■■■
(35点/スラッシャー)
ノルウェーの森の奥地の湖岸に建つ、廃墟と化した病院。
この場所はかつて、結核患者を隔離して治験を行うサナトリウムとして利用されていたが、今は閉館され一人の年老いた管理人によって管理されていた。
リーヴェらの解体業者の調査チームは、解体の事前調査のためにこの巨大な病院に訪れて調査を開始するが、調査中に階段室で瀕死の状態でロープで吊り下げられた男性を発見。
救助もむなしく男性が死亡してしまった事から、管理人のカールに事情を問い合わせるが全く心当たりが無いとにべもなく返される。
不気味なものを感じながらも、彼らは警察に通報しつつ病院の調査を続行する事となるが、調査中に彼ら以外の不気味な人影が目撃し…
廃墟と化したサナトリウムに訪れた解体業者が、病院内に潜む『得体のしれない何者か』によって恐怖にさらされるという、オカルト風味のスラッシャーホラー映画。
廃墟と化した病院に訪れた解体業者が恐怖に遭遇するという、なんとなく「セッション9」を思い出すような設定の作品で、実際に荒廃しきった廃病院の様子なんかは通じるところがあるのですが、映画の内容の方は本作はどちらかというとオカルトよりも『ケレン味が強めのスラッシャーホラー』的なノリのお話という感じ。
ちなみに廃墟と化したサナトリウム(結核治療施設)が舞台なのに、何で「アサイラム・バスターズ」なんてタイトルが付いてるのかと思いきや、本作の現代が「VILLMARK 2/VILLMARK ASYLUM」というタイトルで、そこからアサイラムは来ているみたいです。
(別に幽霊退治するような話でも無いので、バスターズがどこから来たのかは不明ですけど…)
なおタイトルを見て分かるように、「VILLMARK/DARK WOODS」という2003年に作られたノルウェー製の低予算ホラー映画の続編のようで、前作がどんな話なのか調べてみようとしたところ、どうやら前作は日本では販売されていないようですね。
でもって続編のせいなのかどうなのかは分からないですが、肝心の映画の中身の方はとにかく『訳が分からない映画』ってのが正直なところ。
序盤は『廃墟を舞台とした幽霊屋敷もの』みたいなノリでお話が展開していき、廃病院の雰囲気なんかもなかなか良くて『良い感じのオカルト映画かも?』って感じで進んでいくのですが、途中から実はこの廃病院に殺人鬼が潜んでいる事が判明してスラッシャーホラー的な展開に…
でもって、どうやら実はこの『廃病院の管理人の息子』がサイコな人格でそいつが連続殺人を犯しているのか…
と思いきや、そいつ以外にも良く分からない『ミュータントっぽい子供』やら『キ●ガイの看護婦』やら『謎の少女や』らも一緒に居て殺人を犯しているっぽいのですが、矢鱈と大人数の殺人鬼集団が登場する割にはこいつらと病院とか管理人との関連が全く意味不明なのは困りもの。
途中で『それっぽい人体実験の噂』とか『過去にこの病院で虐殺されたドイツ兵の話』とかが出てくるのですが、それらの話とこの殺人鬼たちがどういう繋がりがあるのかが本作を見ただけでは一切不明。
加えて殺人鬼の動機とか目的らしきものも全く明かされません。
もしかしたら前作を見てたらこの辺の設定が分かるのかもしれませんが、前作は日本で発売されていないっぽいので、それすらも確かめようが無くて観ていても背景が分からなくて非常にモヤモヤします。
(まあ、前作を見ても全く分からない可能性もありますが…)
それに加えて、登場人物の全員が有害物質から身を守るために化学防護服を着てマスクを付けているせいでパッと見ただけでは誰が誰やら分からなくて、更には殺人鬼まで偽装のために同じ服を着て登場するのでマジで訳が分からない状態に…
まあ殺人鬼の設定とか世界背景以外のストーリーに関しては、殆どが『主人公たちが殺人鬼から逃げ回ってるだけ』なのでそこまで困る事は無いんですが、それにしてももうちょっとどうにかして欲しかったです。
不気味な廃墟を舞台にした映像の雰囲気とか演出とかはそこそこ良い感じだったりと悪くない部分もあるのですが、とにかく意味が分からなさ過ぎて『何でこれを発売しようと思ったんだよ?』というツッコミの言葉以外は浮かんでこないような映画でしたよ…
総評としましては、面白いとか面白くないとか以前に『なんだか良く分からない映画』という以外の感想が思いつかないような作品です。
廃墟が大好きで『良く分からないけど雰囲気が良い感じな映画なら見てみたい』というような奇特な人であれば楽しめる作品だと思いますので、そういうノリが好きならばチェックしてみても良いかもしれません。
個人的にはとにかく意味が分からなくてモヤモヤする部分の多い映画でしたので、あんまりオススメは出来ないかなぁ?
もしかしたら前作を見てたら感想が異なるのかもしれませんので、前作を見た事がある人の評価を聞いてみたいところではありますよ…