■■■「レッド・ハンター」■■■
(55点/アクション)
地球温暖化が引き金による大洪水と大気汚染によって文明が崩壊した近未来。
社会秩序は崩壊し世界は混とんと暴力により支配されていた。
かつてギャングに家族を殺されたゲイジは、復讐のために悪党どもを始末しつづける腕利きの賞金稼ぎとして生計を立てていた。
そんなある日、ギャングたちを組織的に率いるジャクソンという大物の賞金首を狙う事となった彼女は、女ギャングに変装して彼らの支配する町へと侵入しするが、ジャクソンの隙を疑いつつ近辺を調査するうちに、彼こそが彼女の家族を殺害した仇である事が判明。
しかしその頃、ジャクソンもまた彼女の正体に疑いを抱き始めていたのだった…
文明が崩壊し暴力に支配された世紀末世界で、女賞金稼ぎが自分の家族を殺した仇敵と相まみえる…という、近未来アクション映画。
なんか設定からして『女版マッドマックス』みたいな感じの作品ですが、実際の中身の方も予想どおりの『女版マッドマックス』みたいな感じのお話です。
まあ、あんなに予算もかかっていないし派手さも無いので、低予算版といった感じではありますけどね。
(ちなみに「レッド・ハンター」ってタイトルの何が『レッド』なのかは謎ですが、単に「レッド・スパロー」に便乗しただけなのかな?)
実際の中身の方も『低予算の地味なマッドマックス』という感じで、良い意味でも悪い意味でも期待を裏切らない内容という印象。
一応は舞台は『文明の崩壊した世紀末的な世界』という設定なのですが、その設定を活かしているような要素はあんまり無くて(一応、大気汚染の影響で『ガスマスクが無いと生活できない』みたいな世界観で、マスクの原料の権利を巡って争いみたいな設定はある)、西部劇っぽい世界観で女ガンマンが賞金首を狙う話を想像した方がイメージは掴みやすいかも?
主人公のキャラがなかなか良い味を出しており、賞金稼ぎの潜入ミッション的なお話として普通に面白いですし、敵役やら主人公の相棒的な面々もキャラが良く立っておりドラマとして普通に楽しめる内容です。
また、主人公のぴっちりニットにコルセットという、妙に胸を強調したコスチュームもなかなかフェティッシュな感じでセクシーで、別の意味で見どころがあります。(笑)
ただ、低予算ゆえに全体的にアクションシーンは控え目で、特にマトモなアクションシーンと呼べるようなシーンはラストの対決シーンのみで、他にあまり盛り上がるようなシーンが無いのは物足りないところ。
お話のテンポ自体は非常に良くて、そこそこ楽しめる内容なだけに、もうちょっと予算があってシッカリとアクションシーンが描かれてれば、そこそこ良い作品になったと思うんですけどねぇ…
また、世界観や設定を活かした仕掛けやら、本作ならではの個性と呼べるような部分があまり感じられなかったのも残念なところでしたよ。
総評としましては、やや物足りないながらも『普通に楽しめるレベルのB級世紀末アクション映画』って感じの作品ですね。
良くも悪くも『低予算映画としてはとりあえず及第点』って感じのレベルの作品という感じなので、敢えてチェックするほどかと言われると微妙ですけど、TV放映やらネット配信やらで何気なくチェックしたら予想以上に楽しめるような映画という感じでしょう。
映画としては悪くないので、主人公役のジーナ・カラーノ(デッドプールのヒロイン役)のファンで気になっているという感じであれば、とりあえずチェックしておいても良いかもしれません。