■■■「プラネット・オブ・ピッグ / 豚の惑星」■■■
(60点/アクション:結構オススメ)
近未来、第三次世界大戦が勃発し人類の多くが死亡し文明が崩壊したうえに、自らの作り出した人間と豚のハイブリッドである生物兵器『マズル』の反乱によって、豚人間の食料として狩られる存在となっていた。
人類のレジスタンスに所属するの賞金稼ぎのロブは、リーダーからの情報によりマズルのボスである『マザー』の隠れ家の場所を知る手掛かりが、マズルたちの『人間工場』にある事を知ったことから姉のラクシャと共に侵入を計画するが…
文明が崩壊し人類が『ブタ人間(マズル)』に家畜として狩られている世界で、レジスタンスの主人公が人類存亡を賭けた戦いに挑む…という感じのSFアクション映画。
なんとなく「猿の惑星」っぽいロゴに加えて、『豚は生きろ!人は死ね!』という「白昼の死角」のキャッチコピーのパロディ(正確には戯曲のタイトルのパロディらしいけど)とか、いまどき元ネタが分かる人が居るのか…って感じで色々とツッコミどころが多いタイトルですが、実際の中身の方も色々とブッ飛んだ設定のSFアクション映画となっています。
お話に関しては『第三次世界大戦のために自らの作り出した生物兵器「豚人間」に支配された人類が、支配から脱するために反撃を試みる』みたいな内容で、割と普通にSFアクション映画している作品という印象。
ただプロットは普通なんだけど、世界観とか映像センスとかがとにかく独特。
ヒロイン的な扱いの主人公の姉は何故か立派な鼻ヒゲを生やしてるし、主人公のライバルは『矢鱈とお尻のキレイなヌードモデル(男性)』で常にパンツ一丁で登場するし、主人公は特に説明もなく過去にタイムリープするし…その他の要素も含めてあまりにも『特異なセンスの塊』でカルト映画的なノリの作品になっています。
「マッドマックス」っぽい世紀末的な敵のセンスも光っており、ジェットパックで空を飛んだり丸ノコの歯を射出するボウガンとかを使ってみたり、敵がブタのクセに矢鱈とカッコ良いのもなかなか良いところ。
とにかく『センスの塊』のような世界観とテイストが面白くて、それだけでも一見の価値のある映画という印象。
また、過剰なバイオレンス描写やらブラックユーモア的な描写も楽しくて、色々な意味で濃いノリが楽しめる内容でまさに『正しいカルト映画』という雰囲気の作品です。
ただ、ノリやらセンスやらは抜群に良い感じなのですが、ところどころでたいした説明も無いままに超展開に突入したり、世界観が独特すぎて常人には付いていけない部分があったりと、センスが個性的過ぎてちょっと厳しい部分も…
またセンスは突き抜けてる点は良いものの、基本的にかなり低予算な作りでCGとか特撮にショボい部分も多くて、その辺もちょっと残念なところ。
ラストも超展開すぎて『なんじゃそりゃ?』って感じでしたし、ホントに製作者のセンスと趣味が独特すぎて良くも悪く『観る人を選ぶ作品』という感じでしたよ。
あと無駄にセックスシーンが多くて、ちょっとテンポが悪くなってた感があったのも個人的には気になったところかなぁ?
総評としましては、『なかなか個性的で独特のセンスと世界観を持つカルト映画風味のSFアクション映画』って感じの作品ですね。
タランティーノとかR・ロドリゲスとかのバカ映画(というかグラインドハウス)系列作品が好きな人であれば、割と刺さるところのある作品だと思うので、そういう方面の映画が好きであればチェックしておいても損は無いかと思います。
個人的には結構好きな映画ですが、バイオレンス描写や下品な描写が強めですしノリもちょっとブラックなので、そういうのが苦手な人はスルーした方が良い一本かもしれませんよ。