■■■「デイ・アフター・トゥモロー2018」■■■
(50点/アクション)
近未来、突如として出現した人類に寄生する『コングリング』という寄生生命体によって人類は危機に瀕していた。
人類はコングリングを撲滅するために、衛星軌道からコングリングを駆除するための光線を照射する『ミッドナイトサン計画』を実行するが、その影響で環境が激変し地球全土が氷河期に突入してしまう。
災害を生き延びたケイロは他の生き残った仲間と共にキャラバンを組み、伝説の安住の地と言われる『シャングリラ』を捜して旅を続けていたが、とある製薬会社の研究所の廃墟にたどり着いた彼らは、かつてコングリングが創り出されたその場所で『シャングリラ』に関する手がかりが得られないかと調査を開始するが…
寄生生命体と環境の激変によって人類が滅亡に瀕した世界で、安住の地を求めて旅を続ける人々のサバイバルを描いた、サスペンス系のSFアクション映画。
タイトルに「デイ・アフター・トゥモロー」なんてタイトルが付いていますが、当然ながら同タイトルと本作とは全く関係なく、一応『氷河期』という共通点がある程度です。
ノリとしてはSFアクション系のサスペンス映画という感じで、厳しい環境のなかで生き残りをかけて旅をするキャラバンの面々のサバイバルと、それと並行する形で人類の脅威となった『コングリング』という謎の寄生生命体に関する秘密が明らかになっていく…というような感じのストーリー。
謎解きサスペンス的なノリが中心で、『主人公たちの現在』と『コングリング誕生の秘密』と『主人公の過去』といったストーリーがパラレルで展開していきます。
お話がパラレルで描かれるため、色んな謎が同時に展開していき密度の高い構成になっているのは良いですし、『コングリング』という寄生生命体が単なる人類の脅威となる存在なのかと思いきや、実は単純な話ではないという独特の世界観も面白いです。
主人公たちのキャラも丁寧に描き込まれており、テレパシーや異能の力が使えたり、格闘に精通していたりと、超人的な能力を持っていたりするのも中二病的というかアメコミ的で楽しいですね。
ただ、『並行して3つの話が進んでいく』という構成のため、メインのストーリーがなかなか進まなくて、個人的には観ていてちょっとイライラしてしまいましたよ。
70分しか尺が無い映画なのに短い時間に色んな要素を詰めこみ過ぎているので、お話がやたらと煩雑でゴチャゴチャした印象を受けるのも困りものです。
また、予告とかではアクションシーンとかに気合が入っているように見えたのですが、アクションシーンはラストにちょっとある程度で盛り上がるシーンが少な目で、全体的にダラダラとして退屈な展開が多いのも残念なところでした。
色々と詰め込みすぎたのがテンポが悪くなっている原因な気がするので、『主人公の過去』とかのエピソードは割愛して、もうちょっとエンターテインメント寄りに仕上げた方が良かったんじゃないかなぁ…
ちなみにラストはちょっと盛り上がるのですが、ようやく盛り上がってきたところで『俺たちの真の戦いはこれからだ!!』みたいな感じでお話が終わってしまうんですよね…
なんとなくTV映画っぽい構成ですし、続編を作る気まんまんな感じの設定や展開っぽかったのですが、実際に続編は作られているのかしらん?
総評としましては、低予算ながらもそれなりにキチンと作られている印象のある『サスペンス風味SFアクション映画』って感じですね。
全体的にちょっと退屈な部分は気になりますが、独特の世界観やらキャラクターやら、観るべき部分も無くはないような印象。
積極的に推す程の内容かと言われると微妙ですけど、TVとかネット配信とかで観れるならそれなりに楽しめる作品だと思いますので、そういうところで観る機会があればチェックしておいても良い程度の作品ではないでしょうか?