NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ホワイト・スペース」(55点/SFアクション)

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■■■「ホワイト・スペース」■■■
(55点/SFアクション)

 2156年。
 人類は外宇宙へと進出。
 宇宙空間に生息する地球外生命体を捕獲して、それを『汚染されていない安全な食料』として流通させるというビジネスが勃興していた。

 宇宙生物を捕らえるための惑星間漁船「エセックス号」の船長であるリチャードは、ある日の漁の帰りに宇宙の未知の領域である『ホワイト・スペース』から出現する、伝説の超巨大ドラゴン型のエイリアン『天龍(テンロン)』と遭遇。

 天龍によって父を殺された過去を持つ彼は、自らの復讐と一攫千金を狙って、

 最初は、船員たちの安全を優先しそのまま帰還しようとした彼らだったが、帰還の途中に宇宙海賊に遭遇して積み荷を奪われてしまった事から、天龍を狩るために追跡を開始するが…



 宇宙生物を狩って、それを販売して生計を立てる宇宙漁師の面々が、宇宙の異空間に潜む伝説の巨大エイリアンである『天龍』の捕獲に挑むという、巨大生物ものSFアクション映画。

 宇宙生物を狩る宇宙漁師の漁船の船長が『幻の巨大生物』への復讐のために執念深く戦いを挑む』というストーリーやらプロットから分かるように、有名な文学作品である「白鯨」をモチーフとしたSFアクション映画ですね。

 実際のプロットの方もまさにSF版「白鯨」という感じの内容で、主人公の部屋に『モビーディック』の置物が置いてあったり、宇宙船の名前が『エセックス号』だったりと、「白鯨」にインスパイアされた作品だという事がかなり強調された感じの演出となっています。

 ただ映画の内容の方はそこまで「白鯨」という感じでもなくて、割とSF要素が強めな印象。

 宇宙漁として、主人公たちがパワードスーツを着てカニのような宇宙生物と戦ってみたり、獲物を横取りしようとする宇宙海賊との戦闘があったりと、アニメ的なビジュアルでの戦闘シーンはなかなか楽しいです。

 主人公の宿敵となる「天龍」も、『ホワイト・スペース』という異空間を自在に行き来するという設定やら、軟体動物のような異質なデザインやら宇宙船を圧倒するほどの巨大感やら、割と個性が出せており良く出来ているのも好印象。

 他にも、謎の寄生生物に船に潜入して船員が寄生されたりとか、色々な要素を盛り込んで視聴者を楽しませようとしている雰囲気が感じられます。

 特撮に関しても、予算節約のためかもしれませんがミニチュア特撮とCGとを融合させて作られており、圧倒的な迫力とは行かないものの、ちょっとレトロ感のある雰囲気を漂わせた良い味わいを出しているのも悪くありません。

 ただ、終盤の「天龍」との対決に入ってからの展開は面白いのですが、それまでの流れが『宇宙海賊との小競り合い』等の地味目のシーンが長めで、ちょっとダルい印象を受けるのは残念なところ。

 特に中盤が『寄生生物ネタ』やら『宇宙海賊ネタ』やらを妙に引っ張った割には、どちらもいま一つ盛り上がらない感じのアッサリとした扱いになっており、正直言って物足りなかったです。

 ちなみに「白鯨」をリスペクトした作品という割には、主人公の「天龍」への恨みやら執念深さやらがそこまで強く描かれておらず、いま一つ復讐劇らしさが感じられないのも残念なところかなぁ?

 あと「白鯨」が題材という事で、途中でなんとなくオチの予想が付いてしまうのも難点かも?
 (ここまでエンタテインメント寄りの内容にするなら、もう一捻りあっても良かった気もします…)


 総評としましては、それなりに楽しめるレベルの『巨大生物ものSFアクション映画』って感じの作品ですね。

 大作ほどの迫力は無いもののB級SF映画としては頑張って作られており、『巨大宇宙生物とパワードスーツのバトル』とかそういったジャンルの作品が好きならば、割と観れる内容になっていると思います。

 ただ全体的にやや中途半端に感じる部分も多いので、気になるにしても過剰な期待をしないレベルで鑑賞すれば、ちょうど良い感じではないかと…