NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「未来戦記」(70点/アクション:オススメ)

■■■「未来戦記」■■■
(70点/アクション:オススメ)


 2055年、戦争と環境破壊により壊滅の危機に瀕した未来世界。


 人類は汚染されきった大気を浄化するプロジェクトを進行しつつ、巨大シェルターの中に避難して過ごしていた。


 しかし、そんな矢先に宇宙から謎の植物生命体『パンドラ』が飛来。
 『パンドラ』は、猛烈な勢いで増殖しつつ都市を破壊し人々を攻撃する危険な存在であったが、その一方で汚染された地球の大気を浄化する力を持っている事が判明する。


 香港軍は『パンドラ』から市民を守りつつ人類の資産として活用するために、『パンドラ』のコロニーに遺伝子変異をもたらすための特殊弾を撃ち込むという、前代未聞の危険な任務へ赴く事となるが…

 


 環境汚染と宇宙から飛来した謎の生物群によって滅亡に瀕した人類が、宇宙生物を排除して地球の環境を回復するために危険なミッションに挑む…という、SFアクション映画。


 ネットフリックスで製作された中国製というか香港製のSFアクション映画なのですが、なんとなく地味そうなタイトルに反してメチャクチャ良く出来たアクション映画だったりします。


 どうやら本国の方では劇場公開された作品のようですが劇場用作品なのも納得の完成度なので、ネトフリ独占配信にしておくのはもったいない作品ですね。


 何が良く出来ているって、全てにおいて『とにかくセンスが良い』のが特徴という印象。


 お話としては『軍の特殊部隊の主人公が、人類を救うために時間制限ありの危険なミッションに挑む』みたいなコテコテの展開なのですが、このコテコテの中にカッコ良い要素がひたすら詰め込まれているんですよ。


 主人公たちの特殊部隊の「エイリアン2」に登場する宇宙海兵隊っぽい装備や武器もカッコ良いですし、主人公たちのパワードスーツやら多脚戦車やら戦闘ロボットの無骨な感じのデザインも、いかにも近未来SF的でイカしてます。


 戦闘シーンも物凄い気合が入っており、銃撃シーンや格闘シーンの妙にゲームっぽい派手なカメラアングルもカッコ良いですし、敵のミサイルをキチンとフレアで回避してみたりとか、妙に凝った演出マニア心をくすぐります。


 宇宙から来た植物は、いわゆる触手系で目新しさは無いものの植物に寄生するアリ人間というかゴキブリ人間っぽい異星生物の不気味なデザインの、ちょっと悪趣味でB級っぽさを感じさせる雰囲気も個人的には結構好きな感じ。


 ただ良くまとまっているとは言いつつも、ぶっちゃけ登場する兵器やロボットやモンスターのデザインにしても、ポストアポカリプスやディストピアっぽい世界観にしても、ゲームやアニメっぽい派手なアクションシーンにしても、全てにおいて『どこかで観たようなもの』の寄せ集めっぽい部分があるのは気になるところ…
 ただ『寄せ集めっぽい』とは言いつつも、監督が趣味のままに予算をふんだんに使って『男の子ってみんなこういうの大好きでしょ?』みたいな要素をひたすら詰め込みまくった感があって、そういう世界観とかノリのアクション映画が好きであれば、観ていてテンションの上がること請け合いです。


 お話自体のテンポも非常に良いですし、『植物の造影剤を撃って遺伝子操作弾を撃ち込む場所を探す』とかって、微妙にリアルっぽい設定を入れる事で、割とツッコミどころ満載な設定にリアリティを持たせていたりする辺りもセンスの良さを感じさせます。


 主人公たちのキャラも良く立っていて良い感じなのですが、ただ主人公たちが割とオッサン顔でいま一つ精悍さに欠けるところがあるのは難点ではあるものの、このオッサンたちも観ていると割とカッコ良く見えてくるから不思議。(笑)


 ただ全体的に非常に満足度の高い内容ではあったのですが、欲を言えば宇宙生物』に関してはもうちょっと出番を増やして、もっと『人類に対する脅威』であると感じさせるような演出があっても良かったかなぁ…というのは不満点かも?

 (宇宙生物の設定だけ妙にリアリティが薄いので、普通に戦時中に作られた生物兵器とかじゃダメだったんか…)


 あと、ラストの妙に『続編に続くっぽいオチ』はいま一つ意味が良く分からなかったのですが、単純に続編への仕込み的なネタなんでしょうか?
 (もしくは、何かのオマージュとか他に意味があるのかな?)

 


 総評としましては、『非常に良く出来た良作SFアクション映画』って感じの作品です。


 『近未来もののSFアクション映画』が好きな人であれば、間違いなく楽しめる要素が満載された作品だと思いますので、そういうジャンルに興味があればチェックしておいて損は無い一本でしょう。


 ただネトフリオリジナル作品という事で、現時点ではネトフリに入ってない人には観る手段が無いのは最大の欠点ではあるのですが…
 (ネトフリオリジナル作品は『当たり外れが大きい』ものの、『当たった時には大当たりが来る場合が多い』のが侮れないですね。)