NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「65/シックスティ・ファイブ」(60点/アクション)

■■■「65/シックスティ・ファイブ」■■■
(60点/アクション)


 人類誕生以前の世界。
 惑星ソマリスの惑星探査チームに所属するミルズは、未開の惑星を探査する長期ミッションへと参加することとなるが、航行中に宇宙船が小惑星群に衝突するという事故が発生。
 宇宙船は未知の惑星へと墜落しミルズ以外の船員の全てが死亡してしまう。


 自分以外に『コア』と言う少女が奇跡的に生き延びていることを発見した彼は、彼女と共に宇宙船に搭載された『脱出船』を探して謎の惑星から脱出しようと行動を開始するが、その惑星こそは実は6500万年前の地球で、恐竜が跋扈する危険な世界のうえに、恐竜を絶滅させた巨大隕石がまさに地球へと衝突しようとしていたのだった…

 


 宇宙人の調査員が6500年前の恐竜絶滅寸前の地球に墜落し、なんとかして隕石落下の前に地球からの脱出を図る…という、SF風味のサバイバルアクション映画。


 まずこの映画、どう見ても主人公が人類にしか見えないのでてっきり『未来人がタイムトラベルの事故で過去の地球にやってきてしまった』みたいな設定なのかと思ってたのですが、主人公が『宇宙人の調査員』という設定だと知って、いきなり驚かされてしまいました。


 宇宙人という設定の割には主人公たちが特に理由もなく人類にソックリなので、もしかしたら最初は『未来人』って設定だったりしたとか、『墜落した宇宙人が実は人類の原型になった』みたいな裏設定でもあったりするのかしらん?


 まあ主人公の設定はさておき、お話としては『未開の惑星に墜落した宇宙船パイロットと唯一の生き残りである一人の少女が、協力して危険な未開の惑星からの脱出を目指す』という、割とオーソドックスなSFサバイバルアクション映画という感じの内容。


 基本的に『恐竜絶滅の隕石』は単なる味付け程度で、ストーリー的には特に重要な要素という訳でも無く、むしろ恐竜相手のサバイバル要素がメインという印象。


 主人公たちは惑星間航行できるような超テクノロジーを持った宇宙人なのですが、墜落の際に殆どの装備を失っており、弾薬や物資の残り少ない上にハイテク機器も機能不全を起こした状態で、『なんとかして凶暴な恐竜たちの襲撃をしのいで行く』という構成はまあまあ悪くない印象。


 ラプトルっぽい『ヤバそうな小型恐竜』なんかの襲撃シーンは割と多めですし、そこそこ見せ場もあってサクサクとテンポ良く楽しめる作りになっているのは良い感じです。


 ただ、サバイバルアクション映画として観ると悪くないのですが、その他の要素がどうにも中途半端な感じなのは気になるところ…


 主人公と生き残りの少女が『翻訳機の故障で言葉が通じない』という設定があるのですが、特にコレが作中で有効に活用されている訳でもなくて、単に『言葉が通じなくて大変そうだね』という程度にしか感じられず、あまり作中の味付けにもなっていないんですよね。


 主人公側も『生き残りの少女と同じぐらいの年齢の病気で亡くなった娘』が居たという設定なのですが、この少女にその姿を重ねるみたいな雰囲気もあまりなくて、何というかキャラ付けが中途半端な印象。


 主人公たちを襲う恐竜や昆虫にしても『実在した恐竜』がモデルなんだか判然としないような感じの生き物ばかりで、なんかあまりこだわりが感じられず魅力が薄いのは困りもの。

 また予告とかでいかにもメインの敵っぽく描かれているティラノサウルスっぽい巨大恐竜も、ラストのちょっとだけしか見せ場が無くてどうにも物足りません。


 『恐竜を絶滅させた巨大隕石』も、単に『脱出までのタイムリミット』以外の要素は全くなくて微妙に中途半端な扱いですし、『もともとあった壮大な感じの脚本が、何かの都合で削られまくって簡略化されてしまったのでは?』とかって勘ぐってしまったのは自分だけですかね?(ラストも妙にアッサリした終わり方ですし…)


 ただ、本作は主人公をアダム・ドライバー(「スター・ウォーズ」のカイロ・レン役)が演じているのですが、この『ちょっとヘタレな感じのイケメン』というキャラは絶妙にハマってるなと感じたのは、なかなか良い部分でしたよ。

 


 総評としましては、全体的に良くできているものの『ちょっと物足りなさの残るSFサバイバルアクション映画』って感じの内容ですね。


 ただ色々とツッコミどころは多いながらも、キチンと予算をかけて作られているだけあって十分に楽しめる内容ではあるので、『ジュラシック風味のサバイバルアクション映画』というジャンルに惹かれるものがあるようであれば、普通にチェックしておいても良い作品かもしれません。


 ちなみにAmazonプライムの対象となっていて、プライム会員であれば無料で鑑賞できますので、その手の映画が好きでアマプラを利用されている方であれば、とりあえず観ておいても損はない一本だと思いますよ。