■■■「グラインダー」■■■
(20点/スラッシャー)
アメリカの小さな田舎町で暮らす、異母兄弟であるビリーとジェブ。
彼らは多少はケンカをしつつも平穏に毎日を過ごしていたが、そんなある日、ビリーが町一番の美女として知られるルーシーを車で轢き殺してしまうという事件が発生。
肉屋であるジェフは、事件を隠蔽するためにその死体を挽肉にして店頭で販売してしまう。
この肉が大人気となった事に加えて、ビリーがまた他の女性を事故で殺してしまった事から、彼らは店頭で人肉の販売を継続。
しかし次々と行方不明者が出ることから、被害者の関係者や保安官らは彼らに疑いを抱くようになっていき、彼らは事件を隠蔽するために更なる殺人を繰り返して行く事となるのだった…
田舎町で肉屋を営む兄弟が、誤って殺してしまった人間の死体を挽肉にして販売したところ大人気商品となり、更なる殺人を繰り広げていく…という、コメディ風味のスラッシャーホラー風味。
Amazonで100円レンタルになってたので、なんとなく鑑賞してみたのですが、『100円ならギリギリ許せるかな?』というレベルのなかなかに酷い作品でした。(笑)
お話のプロットとしては、『田舎で暮らす肉屋の兄弟が誤って人を殺してしまった事から、事件を隠蔽するために死体を挽肉にして売ったところ大人気、「材料」を仕入れるために更なる殺人を繰り返していく…』というような、ホラー映画としては割とありがちなプロットという感じ。
最近でも「ヴィーガンズ・ハム」という同じようなコンセプトの作品がありましたが、あちらほどパンチやユーモアが効いている訳でもなくて正直なところ中途半端さが否めません。
(しかも、割と名作である「ヴィーガンズ・ハム」は、Primeビデオの対象になっているので、会員であれば無料で観れるという!!)
作品の方向性としてはいわゆるコメディホラーではあるのですが、コメディ要素が全体的に滑りっぱなしで、特に笑えるような部分も殆どなくてブラックユーモアとしてもそこまで風刺が効いている訳でもないのが辛いところ…
主人公たちも、単なる『品のない田舎者』って感じのキャラクターであまり魅力が感じられないですし、映像的にもいかにも低予算のB級というかD級ぐらいの映画にありがちな『矢鱈と棒立ちで顔のアップだけみたいな会話劇』のシーンが多く、残虐シーンも『血しぶきが飛ぶだけ』のイメージ映像みたいなシーンばかり…
全体的にダラダラとして淡々としたシーンが続くため、とにかく観ていてダレてしまいます。
また日本語字幕に対応しているのですが、この字幕がいわゆる『AIの自動翻訳』のため、ところどころに日本語の怪しい部分があり男性と女性の口調がごちゃまぜになっていたりと、色々とグテグテなのも気になるところ。
終盤の『兄弟で対立する展開』とかオチとかは、割と個性が出ていて良かったものの、そこだけのために観る価値があるかと言われると微妙なところかなぁ?
あと、音楽が『フリー音源っぽい同じ曲の繰り返し』で、聞いてると頭がおかしくなりそうになるのは、どうにかしていただきたかったですよ。(笑)
総評としましては、色々と酷い出来で『D級ぐらいのレベルの超低予算コメディホラー映画』という感じ。
この手のホラーが好きな人なら、「ヴィーガンズ・ハム」と「タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら」を足して10倍に希釈したような薄い内容の映画といえば、なんとなくどんな映画か伝わるかも?
ぶっちゃけ100円でも厳しい内容(無料で観れる作品にもっと面白い作品がいくらでもある)ですので、よほどの物好きでなければスルーしてしまっても問題のない一本ではないかと…