■■■「ナイトスイム」■■■
（６０点／サスペンス）
病気により引退を余儀なくされた元メジャーリーガーのレイは、妻と息子と娘の４人でリハビリをしながら過ごすための新居を探す事となる。
プール付きの中古の一軒家を発見したレイは、自分のリハビリに加えて子供たちの遊びにも使えると考えて購入を決意。
リフォームの後に移り住む事となる。
新居に住み始めてからレイのリハビリは驚くほどの進展を見せるが、家族のみんながプールの中で『居ない筈の不気味な人影』を見かけたりといった不気味な事件が起こるようになっていき、やがてこのプールに隠された恐るべき過去と秘密が明らかになっていくのだった…
とある一家が移り住んだ『プール付きの一軒家』のプールは、恐ろしい秘密の隠された『呪いのプール』だった…という、オカルトホラー映画。
ホラーファンにはお馴染みの『ブラムハウス』の新作で、タイトルのとおりに『プール』を題材としたいわゆる『水物ホラー』で、実際の内容の方も割と『ジメっとした湿度の高い感じのお話』になっています。
最近は『ナイトプール』というと『オシャレなレジャースポット』という印象になっていますが、『夜のプールって何か怖いよね』というのを再認識させられるような作品ですね。
プールを題材にしているだけあって、当然の如く『プールで泳ぐシーン』が多めなのですが、若者向けの作品という訳でも無いのでサービスシーンみたいなのは少な目。
『水の中からだけ見える人影』やら『夜の薄暗いプールの描写』といった、本作のシチュエーションを活かしたホラー描写はなかなか良く出来ており良い雰囲気を出していますし、『排水溝の中から聞こえる声』とかもちょっと「イット」を連想させる部分はあるものの、なかなか怖くて良い感じです。
お話も『主人公たちのキャラクターを丁寧に掘り下げる前半パート』と『呪いのプールの謎が明らかになっていく後半パート』と言った感じで、オーソドックスな構成ながらもなかなか良く出来ており、非常に分かりやすく楽しめる作りになっていますし、『呪いのプール』のに隠された秘密も意外性があって、予想外の展開で楽しませてくれます。
ただ、お話の動き出すのがやや遅くて、序盤～中盤にかけては雰囲気作りは良いものの、怪奇現象とかもあまり起こらなくてちょっとだけ冗長な印象を受けてしまうのは残念なところ。
特に中盤あたりは、もうちょっと恐怖演出が強めでも良かった気はします。
また『水』を扱ってて湿度の高めの内容ではあるのですが、そこまでの『ネットリするような怖さ』は感じられなかったので、もっとビジュアル的にインパクトのある演出とかがあっても良かった気はしますよ。
総評としましては、全体的に悪くない出来で『普通に楽しめるレベルの水物ホラー映画』って感じですね。
『夜のプール』の独特の雰囲気やら水物系の怖い作品が好きな人であれば楽しめる内容だと思いますので、そういうジャンルに興味があるようであれば、まあまあオススメ出来る内容ではないかと…
強く推すにはやや弱いものの、流石はブラムハウスだけあってツボはシッカリと押さえて作られた作品ですので、気になるようであれば観ておいても損は無い感じの一本だと思いますよ。
