NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「チャバク -車中泊-」(55点/サスペンス)

■■■「チャバク -車中泊-」■■■
(55点/サスペンス)


 結婚1周年を迎えた夫婦であるスウォンとミユは、結婚記念に車中泊の人気スポットであるプント山の風力発電所まで、旅行へと出かける事となる。


 道中で謎の男から『危険だから山へは近づくな』という警告を受けたり、展望台で写真撮影する不気味な男と出会ったりといったトラブルはありつつも、2人きりで車中泊キャンプを楽しみ始めた彼らだったが、深夜にスウォンが車を離れた隙にミユの元を白いマスクを付けた不気味な男が襲撃。


 悲鳴を聞きつけたスウォンが助けに入るも返り討ちにあい、ミユはなんとか山中に逃げおおせるもスウォンは刺されてその場で倒れてしまい…

 


 山中のキャンプ地へと車中泊キャンプに訪れた若い夫婦が、正体不明の覆面の殺人鬼によって命を狙われる…という、韓国製のサスペンススリラー映画。


 『キャンプ地に訪れた若い夫婦が白いマスクを付けた謎の殺人鬼に襲われる』というと、なんとなくスラッシャーホラー的なノリの作品を連想してしまいますが、どちらかというとサスペンス要素の強めのお話です。


 お話としては『若い夫婦が山中に車中泊キャンプに訪れたところ、「あの場所には行くな」と警告する謎の地元民やら、急にキレて暴れだす観光客に絡まれたりという、お約束的な「不気味な演出」をひととおり体験した後に、深夜に謎の「仮面の男」が主人公たちを襲撃し…』といった感じのストーリー。


 ここまでの展開だけ聞くと、定番な印象のスラッシャーホラーかと思われそうなものなのですが、実はこの『若い夫婦』が色々と訳アリで、奥さんは『若気の至り』でつきあっていた従兄弟と『いまだに不倫を続けてそう』な疑惑があったり、不倫相手の従兄弟は従兄弟で『奥さんを付けまわすストーカー』みたいになっていたり、旦那は旦那で『二人の関係に薄々気づいていつつも何かを隠してそう』だったりと、とにかく主人公の周りの関係が物凄くドロドロなんですよ。


 ですので、キャンプ地で『仮面の殺人鬼』が現れても、『実は2人をつけまわすヤバい従兄弟では?』とか『旦那の狂言だったりするんじゃ?』とか、次々と疑惑が湧いてきてしまいます。


 実際のストーリーの方も次々と二転三転していくような展開で、最後まで先の読めない構成なのはなかなかに良い感じ。


 ややネタバレになってしまいますが、『事件の真相』が徐々に明らかになっていくうちに『仮面の殺人鬼よりも、この仮面夫婦の関係性の方がヤバいだろ!!』みたいな展開に突入していくのは、なかなかに怖くて面白いです。


 ただ、二転三転していくサスペンス構成は悪くないものの、全体的にお話のテンポがちょっと冗長。


 特に、序盤の『事件が動き出すまで』の展開が長めなのもあって、ちょっとダレてしまいます。


 また中盤以降も『色々と詰め込み過ぎ』で、特に終盤の展開は『いや、その要素は無理に要らんかったやろ?』とツッコミを入れたくなったのは自分だけですかね?


 ラストも、妙に爽やかな感じのエンディングテーマを流しながら、ちょっと良い感じ雰囲気を出していますが…


 実際には『それでいいのかよ?』とツッコミを入れたくなるレベルの『物凄く胸糞の悪い終わり方』で、ある意味で『皮肉の効いたブラックなエンディング』って感じなのは、ちょっと笑ってしまいましたよ。

 


 総評としましては、低予算ながらも『そこそこ楽しめるレベルのサスペンススリラー映画』って感じですね。


 ややゴチャゴチャしすぎな印象は受けるものの、『先の読めないサイコホラー系サスペンスを作ろう』という制作者の意図は伝わる感じの内容ではあるので、その手の映画が好きであればそれなりに楽しめる内容ではないかと…


 強く推すには弱いですが、妙に『ドロドロした感じの設定』とかに興味が湧いた人であれば、チェックしてみても良い感じの一本かもしれませんよ。