■■■「デス・トリップ」■■■
(40点/スラッシャーホラー)
伝説の『幻覚キノコ(マジックマッシュルーム)』のウワサを聞いて、アメリカからアイルランドまで旅行に来た5人の学生たちは、地元のガイドの案内により、幻覚キノコが自生するという『グレンガリフ森林公園』の森の奥深くでキャンプを行う。
キャンプで怪談に華を咲かせる一行は、ガイドから『この森の奥深くにあった少年院で大量殺戮が行われた』という都市伝説を聞かされ、不気味に感じつつも、お目当てである『幻覚キノコ』を口にするが…
やがて彼らは『幻覚キノコ』のトリップ作用により、幻覚とも現実とも付かぬ世界の中で、一人、また一人と正体不明の殺人鬼の襲撃を受け、惨殺されていくのだった…
『幻覚キノコ』を食べた若者たちが正体不明の殺人鬼に追い掛け回されるという、スラッシャーホラー映画。
うーん、何と言いますか…設定も悪く無いですし、ストーリーもそこそこ面白いんですが、どうにも勿体無い作品ですね。
何が勿体無いって、本作は『致命的なぐらいに怖くない』んですよ。
映像センスも非常に良いですし、設定も悪く無い、スピード感もあるしテンポも良い、特撮のレベルもそこまで低くない…なのに、どういう訳か殺人鬼の襲撃シーンが驚くほど迫力がありません。
いや、ホントに『わざとやってんのか!?』と思うぐらいに、全く怖くないんですよ…
とにかく襲撃のシーンに全く緊張感が無くて、犠牲者が殺されるシーンもやたらとアッサリで迫力の欠片も無い。
『現実か幻覚か分からない』というオイシイ設定を使ってるんだから、もっと幾らでもドギツい殺害方法やシチュエーションが準備できただろうに、そういうノリは全く無しで、スラッシャーホラーとしての『情緒』(?)が全くありません。
でもお話そのものはそこまで酷い出来じゃないので、そこそこ我慢して観れちゃう訳ですが、正直言って『ホラーとしてはどうなの?』って感じです。
ここまで怖くないなら、普通にサスペンスにしておけば良かったのに…
もしかして、この監督は『ホラーは撮りたくなかった』んじゃないかと勘ぐってしまいますよ…
オチも中盤辺りで容易に想像が付いてしまいます(というか、コレが『余りに容易に先が読める』せいで緊張感が無いってのもあるんですが)し、全体的にセンスは悪く無いのに『何だかなぁ』って感じの作品でした。
総評としましては、お話そのものがツマんない訳ではないですが『スラッシャーホラー』として期待するなら『あまりオススメは出来ない作品』ですね。
『サスペンスとして観るならB級』だけど『ホラーとして観るならD級』ってのが正直な感想です。
まあ問題なのは、本作はどうみても『ホラー』として売り出されちゃってるので、『コレってどうなのよ?』って感じなんですけどね…