NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「サバイバル・オブ・ザ・デッド」(50点/モンスター)

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■■■「サバイバル・オブ・ザ・デッド」■■■
(50点/モンスター)

 『突如として死者が蘇り人々を襲い始める』という謎の怪現象が発生した4週間後の世界。
 元州兵であるサージは秩序の崩壊した軍を捨てて、仲間と共に強盗を繰り返しながら安全な場所を求めてさまよっていた。

 ある日、偶然助けた民間人から『デラウエア州の沖にゾンビの脅威に晒されていない島がある』という噂を聞いた彼らは、わずかな望みを託してその場所へと向かうが、その場所は島に古くからある2つの旧家の派閥争いにより、更に混沌とした状態へと陥った場所と化していたのだった…


 「ゾンビ」シリーズでお馴染みのジョージ・A・ロメロ御大による、「~・オブ・ザ・デッド」シリーズの最新作に当たる、いわゆる正統派のモダンゾンビ映画

 お話的には、「ダイアリー・オブ・デ・デッド」のの世界を『異なるキャラの視点』から描いた作品で、「ダイアリー・~」で追いはぎをしていた軍人が主人公として登場したりと、シリーズを観てる人には少しだけニヤりとできる設定なのは、なかなか面白いです。

 「ランド・~」のような大作的な印象はなく、「ダイアリー・~」的な小規模なサイドストーリーといった感じの作品なのですが、『異常事態を目撃(撮影)している主人公の視点』という事で臨場感があり『チープながらもなかなか面白い作品』だった「ダイアリー・~」と比べて、本作はそういった設定がある訳でもなくて、単に『安っぽいゾンビ映画』という感じの作品になってしまっている感じで、ちょっとガッカリ。

 時系列的には「ドーン・~」の後で「デイ・~」の前に当たる作品なので、『知能を持つゾンビ』に絡んでくるような設定が出てくるのですが、逆にその辺の背景を考慮して観ないと『なんのこっちゃ?』って言う感じの話ですしね…

 ストーリーも『2人のオヤジが意地を張り合って派閥争いをしてるだけ』みたいな感じで、「~・オブ・ザ・デッド」の設定や世界観以前の問題として、どうにも『メインのストーリーがあんまり面白くない』のが厳しいです。

 キャラクターも今ひとつ魅力がなくて印象に残るような要素も無いですし、ぶっちゃけ本作は「~・オブ・ザ・デッド」って設定にする必要があったのか?とツッコミを入れたくなるようなレベル。

 色々なシチュエーションを描いてきた「~・オブ・ザ・デッド」シリーズですが、このシリーズでこれ以上引っ張り続けるのは流石に厳しいのでは…

 あと、低予算故に特撮や襲撃シーンが今ひとつ迫力が無いのも残念な部分ですねぇ。

 特に本作は主人公達が武装した軍人という設定もあって『ゾンビを一方的に殺しまくる』ようなシーンが多くて、離島が舞台という事でゾンビの数もそこまで出てこないので、全体的に緊張感が無くてゾンビの怖さが全く伝わって来ないのは辛いところでしょう。


 総評としましては、単純にB級ホラー映画としての評価はさておき「~・オブ・ザ・デッド」シリーズとして見ると『拍子抜けするぐらいの残念な出来』といった感じの作品です。

 コレが『名も無いB級ゾンビ映画』であれば、まあそこそこ楽しめるレベルだとは思うのですが、ロメロ監督の新作として見た場合は残念としか言いようがありません。
 ぶっちゃけロメロ監督は、一度ゾンビネタから離れて何か別の作品を撮った方が良いのでは…

 まあ今までのシリーズを観てる人であれば、とりあえずチェックしておいても良い作品だと思いますが、純粋に良作のゾンビ映画を求めているのであれば、あまりオススメ出来るほどのレベルの作品では無いかなぁ…って感じの作品ですかねぇ。
 (シリーズの世界背景を知らないと、ストーリーやネタも分かりにくい部分が多いですし…)