■■■「デイ・オブ・ザ・デッド2」■■■
(15点/モンスター)
1968年のレイブンサイド軍事基地。
『死者が蘇る』という謎の感染症により混乱の広がる軍事病院から、軍の不正を暴こうとした一人の隊員がウィルスの入ったサンプルを持ち出す。
軍事基地は軍によって爆破され、蘇った死者たちも全て殺されて自体は終息したかに思われた。
しかし、それから数十年の時を経た現代。
隊員が紛失したサンプルを、とある精神病棟の入院患者が拾った事から再び感染は拡大し、恐るべき悲劇が始まろうとしていたのだった…
とある精神病院内に『死者の復活する謎のウイルス』が蔓延するという、いわゆるゾンビもののモンスターホラー映画。
パッケージには『ジョージ・A・ロメロの「死霊のえじき」(原題:DAY OF THE DEAD)の続編』と書かれてますが、正直言って『これが続編って、どういう事!?』って感じの映画です。
ストーリーや設定的にも特に繋がりがあるようには感じられないですし、そもそも「死霊のえじき」にはロメロの作った正統な続編の「ランド・オブ・ザ・デッド」があると言うのに『何を言ってるんだ?』という感じ…
セリフの中に『フロリダの軍事施設』というキーワードが出てくるので、唯一その辺りが「死霊のえじき」っぽさを感じさせますが、それ以外は片鱗すら見いだせないぐらい別物です。
なんでも本作は『映画会社が勝手に版権を買い取って続編を作った』とかってウワサですが、ロメロは当然ながら完全にノータッチで世界観も全く別物。
まあ全く別物でも、映画そのものがホラーとして面白ければ何でも良い訳ですが、内容の方もコレまた存外に酷い出来です。
ゾンビの登場までがやたらと長くて、とにかく展開がトロくてイライラする。
精神病院の入院患者の生活を描くだけで、全く緊迫感も無くダラダラとした展開が1時間以上続く(しかもソレが恐ろしくツマんない)とか、『コレってホントにゾンビ映画なのか?』と真剣に疑いたくなるほど…
一応、ラストの15分ぐらいのゾンビが街中に溢れかえるパニックシーンは、そこそこ見れるレベルですが、恐怖演出や特撮も物凄くチープなので、それも現代の映画のレベルで考えるとかなりションボリな出来でしかありません。
正直言って、「死霊のえじき」の続編という事を考えずに『好意的に評価』してもこの点数なので、ロメロのファンならば更にマイナス10点ぐらいしたくなるようなレベルですな。
総評としましては、何の掛け値もなしに『ごく普通にツマんないゾンビ映画』です。
もしロメロの作品の続編と信じて観たら、プチギレしてDVDでディスクドッグ大会とかやりたくなるかもしれませんので、タイトル名の事は忘れるのが懸命でしょう。
流石にここまで酷い続編を出されるぐらいなら、映画会社には版権を買い戻していただきたいところですよ…