■■■「モンスターズ・ゾーン」■■■
(25点/モンスター)
兵士として海外派遣されていた夫の帰還を迎えるためにカンザスシティの空港へと向かった、母のジャネットと3人の娘の4人家族は、道中のハイウェイで大型の竜巻に遭遇。
とっさに近くの民家の地下室へと避難した彼女たちだったが、倒木によってドアを塞がれて地下室へと閉じ込められてしまう。
なんとかして地下室から出ようと、末娘のサリーが地下室の窓から脱出を試みるが外に居た正体不明の獣人のような怪物に腕を噛まれて重症を負ってしまい、自分たちが何者かによって地下室へと閉じ込められてしまった事に気付くが…
竜巻から逃れるために民家の地下室へと逃げ込んだ女性一家が正体不明の獣人に襲われるという、モンスターホラー映画。
『巨大竜巻と正体不明のモンスター』という組み合わせやパッケージのイラストを見て『凄く派手で面白そうな話かも?』と期待して観てみたのですが…
実際の中身の方は、『なんじゃこりゃ』って感じの恐ろしく地味なモンスター映画でしたよ。
お話のシチュエーションからして『暴風雨の中から怪物が襲ってくる』っていう「ミスト」みたいなノリのお話かなと思いきや、いわゆる『シチュエーションホラー』系のお話ですね。
お話の流れとしては『とある家族が竜巻から逃れるために民家の地下室に逃げ込んだら、外に獣人がウロついてて地下室から出れなくなりました』という感じの展開で、竜巻は割とスグに去ってしまうのでそれらしいパニックシーンがあるのは序盤の少しの間だけですし、基本は『地下室に閉じ込められた4人の家族が脱出方法を求めてウロウロするだけ』のお話といった印象。
お話のメインである筈の怪物もマトモに登場するのはラストの少しだけで、襲撃シーンはあっても画面外で何かが起こっているだけの『イメージ映像』みたいな状態で、とにかく盛り上がりません。
お話のテンポは序盤の竜巻に遭うまでの展開は悪くないのですが、中盤以降は地下室から動かずに場面転換も殆ど無いため全体的にダラダラしすぎで、正直言って途中でかなり眠くなるレベル。
4人の女性家族のキャラクターは悪くないですし華やかで良いのですが、主人公を含めてキャラが活かされているようなシーンが殆ど無くて、ストーリーが全く印象に残らないのは困りものでしょう。
モンスターの正体に関しても『それっぽい説明』はあるものの、結局は何者なのか分らないままでスッキリしませんし…
結局、獣人と竜巻に一体どういう関係があったのか、ラストまでサッパリ分からなかったのは自分だけですかね?
(突然変異っぽい説明は出てくるんだけど、なんで近隣住民も怪物なの?)
というか『竜巻で逃げ込んだ先の民家が獣人の棲家でした』というあまりにも不条理な設定が信じられずに、最初は『実は主人公達は既に事故にあってて夢を観ているだけなのでは?』とかって真剣に考えてしまうぐらい意味の分からない設定でしたよ。
オチも『結局どういう事なの?』と言う感じですし、映画を通して何を描きたかったのかも判然としないですし、意味が分からないならせめてもうちょっとイキオイで押し切るなりして『スッキリと観れる内容』なら良かったんですけどね…
総評としましては、何と言いますか正直言って『微妙としか言いようが無いような作品』ですね。
シチュエーションやらキャラクターやら端的には悪くない部分もあるのですが、面白い面白くない以前にどうにも『何がしたいのか(描きたいのか)今ひとつ判然としない映画』という印象で、観終わった後にどうして良いのか分らずにモニョモニョとした感情が残るような感じ…
『「フリンジ」の特殊効果チームの製作によるダブル・パニック≪ディザスター&モンスター≫ムービー』みたいないかにも凄そうな煽り文句で宣伝されてますが、ぶっちゃけそんな凄い要素はサッパリなので、よっぽど気になっているので無ければスルーしてしまっても良いレベルの作品ではないかと…