■■■「アンデッド刑事<デカ> 野獣捜査線」■■■
(55点/アクション)
犯罪が凶悪化した近未来。
ロス市警の警官であるテリーは、ある日、事故で死亡するが、ロス市警の秘密の実験によって『撃たれても刺されでもビクともせずに、たとえ死んでも蘇生処置を施せば蘇って次の日には現場に復帰できる』という、恐るべきアンデッド刑事である『オフィサー・ダウン』として復活。
その不死身の肉体を活かして、極秘裏に凶悪な犯罪者たちと戦い続けていた。
そんなある日、マジメな事が取り柄である新人警官のゲーブルは、その素養を買われて秘密部隊であるオフィサー・ダウンのサポートチームの一員として、彼らの仲間に加わる事となる。
しかしその頃、巨大犯罪組織である「フォーチュン500」は、自分らの陰謀を何度となく妨害する『オフィサー・ダウン』の存在をうとましく思い、彼を暗殺するべく刺客を送り込もうとしていた…
ロス市警の作り出した不死身のアンデット刑事である『オフィサー・ダウン』と、その仲間となった新人警官の活躍を描いた、バイオレンスアクション映画。
『ソンビ警官』を題材としたアクション映画といえば「ゾンビコップ」という名作を思い出しますが、コメディホラー調のバディものだったあちらとはだいぶノリが違う作品ですね。
こちらは、もともとアメコミの「オフィサー・ダウン」という人気コミックが原作になっているようで、良くも悪くも非常にアメコミチックという印象。
撃たれても刺されてもビクともしない主人公の不死身っぷりも物凄いですし、敵役の悪の組織もいかにも『ヴィラン』って感じの悪役が登場したりという感じで、アメコミの『ダークヒーローもの』っぽい内容ですね。
ただヒーローものとしては全体的にかなりグロ要素が強めの印象で、主人公が悪党の頭を銃でブッ飛ばしたり、手足を切断しちゃったり、主人公も同じぐらい銃でハチの巣にされたりといった感じで、ハデでグロいアクションが売りの作品といった雰囲気。
実際にバイオレンスがテンコ盛りのアクションシーンは、観ていて爽快感があってなかなか面白いです。
ちなみにバイオレンスだけではなく一応はメインのストーリーもあって、そちらは『新人警官と主人公のバディもの』(むしろお話的には新人警官が主人公なんだけど)という感じの内容。
『真面目過ぎるお堅い新人警官』と『悪党は絶対に許さないアンデッド刑事』とが理解しあうまでといった感じのお話にはなっているのですが、ただ新人警官と主人公のキャラの掘り下げが若干弱く、特に新人警官がメインキャラの割にはあまり活躍しているように見えなくて、いま一つ盛り上がりに欠けるんですよね。
2人の相互理解もそこまで互いを認め合うような関係になっているようには見えずに、バディものとしてはちょっと物足りなさの残る感じなので、もうちょっと2人の直接的な絡みが多くても良かったんじゃないかと…
バディものとしての印象が薄いお陰で、単にグロいアクションシーンばかりしか印象の残らない感じの作品になってしまっているのは残念なところです。
またアクションシーンに関しては見せ場は豊富なもののですが、山場となるシーンの印象が薄くて、ちょっとダラダラとした感じになってしまっているのも惜しいところ。
悪役たちも個性的なキャラが多いんだから、もうちょっと見せ場があって盛り上がるシーンがあっても良かったんじゃないかなぁ?
全体的に悪くはないんだけど、どうにも物足りなさの残る作品という感じでしたよ。
総評としましては、『そこそこ観れるレベルのアメコミ系バイオレンスアクション映画』って感じの作品ですね。
まあ派手にグロくて爽快感はある内容ですので、アメコミ系作品が好きでそういうのに抵抗が無い場合は、まあまあ楽しめる内容ではないかと…
強く推すまでは行かないものの普通に楽しめるレベルのアクション映画には仕上がっていると思いますので、そういう方面に興味があるのであれば観てみても損は無い一本というところでしょう。