NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「RENDEL レンデル」(40点/アクション)

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■■■「RENDEL レンデル」■■■
(40点/アクション)

 経済が破綻し多くの国民が失業にあえぐ近未来のフィンランド
 製薬会社の経理部長であるラモは、失職した後に怪しげなスカウトマンに誘われて『VALAケミカル社』に再就職する事となるが、その会社は『未承認のワクチンを発展途上国の子供たちに投与する』という人体実験的な行為によって利益を得て、世間から批判を浴びているいわく付きの大企業だった。

 仕事の途中で、偶然にも『NH25ワクチン』の副作用に関する隠蔽されたデータを発見した彼はその資料を盗み出すが、その報復として企業の用心棒である『実行部隊』によって妻と娘を殺され、自分も瀕死の重傷を負わされてしまう。

 襲撃からなんとか生き延びた彼は、決して外れる事のない漆黒のマスクを身に着けたヒーロー『レンデル』として復活し、VALAケミカル社と戦うために行動を開始するのだった…



 悪徳大企業によって妻と娘を殺され自分も瀕死の重傷を負わされた一人の男が、黒いマスクとスーツを身にまとったヒーローとして復活して裏社会を牛耳る大企業と対峙する…という、フィンランド製のアクション映画。

 いわゆるダークヒーローを題材としたアクション映画なのですが、あまりアクション映画というイメージのないフィンランド製の作品です。

 本作の魅力は、なんといっても『ヒーローの見た目』が矢鱈とカッコ良いという事。

 『漆黒の石仮面のようなマスク』と『レザーのライダースーツ』のデザインがリアルな仮面ライダーのような感じで、いかにもダークヒーローという雰囲気がバッチリ決まっています。

 ただヒーローのビジュアルはカッコ良いのですが、それ以外の部分に関しては色々と微妙でツッコミどころが満載の作品という感じなのは困ったところ…

 何が微妙って、一番の問題点はどうにもお話のテンポが悪い事。

 作中で特に説明もなく時間軸が過去の回想シーンと現在を行ったり来たりするのですが、この切り替わりが分かり辛くて最初はちょっと混乱してしまいました。
 (主人公がヒーローになるまえに先代ヒーローが居るのかと思った…)

 アクションシーンを序盤から見せる事で退屈させないように配慮したのかもしれませんが、逆に『ヒーロー誕生のエピソード』やらの主人公の設定がなかなか説明されないので、むしろ観ていてモヤモヤしてテンポの悪さを余計に感じてしまいましたよ。

 ちなみに主人公は、妻と娘を殺された怒りから『決して剥がれない鋼鉄より硬い塗料』みたいなのを顔に塗ってマスクを作るという設定なのですが、固いマスク以外はほぼ普通の人間(一応、怒りに囚われてパワーアップしてるっぽい描写はある)なので、攻撃方法が基本的に『殴る、蹴る』ぐらいしか無いため、ビジュアル的にどうにも盛り上がりに欠けます。

 まあでも『殴る蹴る』だけとはいえ格闘アクションはそれなりに良く作られてはいるのですが、そもそも主人公は元『製薬会社の経理部長』だとかって設定なのに、どこであんな格闘スキルを手に入れたのかが謎すぎて、それすらもツッコミどころと化してしまっているのは困りもの。
 (経理部長がキレてパワーアップしたからといって、唐突にジョン・ウィックばりの戦闘力を身に着けて何十人もの用心棒を全滅させるのは無理があるだろ…なんで『元特殊部隊員の経理部長』ぐらいハッタリの効いた肩書きを持たせなかったのか?)

 また主人公の地味さに加えて、敵役もいまいち魅力が無いのが輪をかけて残念なところで、途中で大げさに登場した『主人公を倒すために雇われた殺し屋軍団』みたいな連中が、お話を盛り上げてくれるのかと思いきやザコすぎてむしろ『お笑い要員』みたいな扱いになっているのはいかがなものかと…

 あと、もったいぶって描かれた『主人公に協力する謎の美女』の正体も『なんのこっちゃ?』って感じでしたし、描きたい方向性は分かるのですが全体的にどうにも中途半端な印象を受ける映画でしたよ…

 あと割とどうでもいい事なのですが、主人公の着けている『絶対に外せないマスク』が、どう見ても口の部分までバッチリとカバーしちゃってるんですが、『ご飯とかどうやって食べてるんだろう?』とか細かいところが気になったのは自分だけですかね?


 総評としましては、どうにもいま一つ盛り上がりに欠ける『微妙なダークヒーローものアクション映画』って感じの作品ですね。

 主人公のデザインは物凄くカッコ良いのですが、ぶっちゃけそれ以外に見るべき要素は殆ど無いので、オススメするには辛いところかなぁ?

 壊滅的にツマんない訳でも無いので、気になっているのであれば観るのを止めるほどではないですが、そのうち定額系のネット配信とかに入りそうな気がするので、急がないならそっちを待ってみるのも手かもしれませんよ…