NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「ナイトライダー」(60点/アクション)

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■■■「ナイトライダー」■■■
(60点/アクション)

 正義感は強いがモテない貧乏学生のディマは、新入生のナスティヤに一目ぼれするも、車すら買えない自分に自身が持てずに告白できずに居た。

 そんなある日、彼は誕生日に両親からボロボロの中古車をプレゼントされるが、この中古車は実はとある科学者が実験中に放棄したもので、特殊な装置が搭載されており『自由に空を飛べる機能』がある事を偶然にも発見する。

 彼はその機能を活かして配達のバイトで荒稼ぎし憧れのナスティヤをデートに誘おうとするが、その頃、彼の車に搭載された『ナノ触媒装置』を狙って大富豪のヴィクトールが魔手を伸ばしつつあったのだった…



 偶然にも『空を飛ぶ機能』を搭載したスーパーカーを手に入れた若者がヒーローとして自立していくという、ロシア製のアクションSF映画。

 パッケージを見ると、無敵のスーパーカー『ナイト2000』の登場する大ヒットしたTV映画である「ナイトライダー」を連想してしまうようなタイトルですが、実際の中身の方はTV映画の「ナイトライダー」とは何の繋がりも無いロシア製のヒーローもののアクション映画です。

 お話の方は『偶然にも空を飛ぶ機能を持ったスーパーカーを手に入れた若者が、紆余曲折を経てヒーローとして自立していく』みたいな感じで、なんというかオーソドックスなヒーローものといった感じの内容ですね。

 良くも悪くもヒーローもののテンプレートに沿った作りで、主人公が『強大な力』を手に入れて調子に乗ってたら父親が悪漢に殺害されてしまい、その事をきっかけに正義の自覚に目覚めていくというような、ある意味で紋切り型のストーリーといった感じ…

 でも、ありがちな内容ながらも全体的に非常に丁寧に作られており、主人公のキャラクターやらヒーローになるための動機やらが、なかなかシッカリと描かれている辺りは好感が持てます。

 主人公のキャラもなかなか良い味を出しており、オリジナルのヒーローものとしては突出した個性は無いものの非常に良好な作品という印象。

 ただ無難な作りではあるものの尖がった要素には乏しくて、特に主人公の敵となるキャラが『身勝手な性格ながらも実質的にそこまで悪事を働いている訳でも無い』ので、悪役としての魅力が薄くてちょっとインパクトが弱いです。

 また、主人公のスーパーカーの能力も『空を飛べる』ってだけで他にはコレといった凄い機能がある訳じゃ無いので、華やかさが無くてやや面白味に欠けるのは残念なところですね。

 それらの要因のせいで、主人公のキャラが丁寧に掘り下げられた序盤~中盤の展開は非常に面白いのに、悪役との対決になる終盤の展開があまり盛り上がりきらずに、ラストとかがいま一つカタルシスに欠ける内容になってしまってるのは惜しい…

 悪役に非道さがあまり無いのが爽快感に欠ける要因になっていると思うので、悪役のキャラはもうちょっと悪役然とした『狂気のようなものが感じられるようなキャラ』になってた方が良かったかも?

 あと、主人公が手に入れるスーパーカーが放棄された理由が『そんなんで良いんか?』とツッコミを入れたくなるようなしょうもない理由なせいで、本編とは関係のない割とどうでも良い部分で『モヤっとした気持ち』になってしまったのは自分だけですかね?
 (いや、その放棄された理由の設定はホントに必要だったのかと…)


 総評としましては、やや華やかさには欠けるものの『丁寧に作られたオリジナルのヒーローものアクション映画』といった感じの作品ですね。

 本作ならではというような個性には乏しいですし特にコレという程の見どころがある訳でも無いのでオススメするには微妙ですけど、普通に『そこそこ面白い作品』でしたので、ヒーローものというジャンルが好きで興味があればチェックしてみても良いかもしれません。

 ぶっちゃけTV放映とかされた際になんとなくチェックしてみたら『意外と面白いじゃん』ってなるような感じの作品なので、まあ息抜き程度に観てみるにはちょうど良いレベルの一本じゃないでしょうか…