NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「レイク・オブ・ザ・デッド」(55点/心霊ホラー)

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■■■「レイク・オブ・ザ・デッド」■■■
(55点/心霊ホラー)

 病気の両親と一緒に暮らすレベッカは、ある日、両親の薦めで遊びに出かけたその日に、自宅でガス漏れの事故が発生し、その事故によって両親を喪ってしまう。
 自分が遊びに出かけなければ…或いはもっと早く帰っていればという両親の呵責から心身耗弱の状態に陥り、死んだ筈の両親の幽霊の幻影を見るようになった彼女は、プレッシャーに堪えかねて自宅を飛び出し、幼い頃に両親と共にいつも訪れた湖の側の別荘へと向かう。

 しかし別荘に訪れた彼女は、湖で過去に死んだ筈の人間の幻を相次いで目撃。
 原因を調査するうちに、彼女はその湖に秘められた恐るべき呪いの存在を知る事となる…


 パッケージやタイトルだけ見ると、どう見てもゾンビ映画のように見えるんだけど、その実態はオカルト風設定の心霊ホラー映画。

 まあ、一応ゾンビっぽい人たちも出ては来るのですが、どっちかって言うとクリープショーゾンビ夫婦みたいなイメージで、アクマで幽霊とか怨念とかのテイストが強い作品です。

 ちょっとだけネタバレしちゃうと、心霊現象や伝承に詳しい人ならピンと来るかもしれないですが、日本の『七人ミサキ』みたいなお話。

 湖で次々と起こる変死事件と、何故かヒロインにだけ見える過去の光景といった手がかりを元に調査を進めていくうちに、湖に秘められた恐るべき呪いの全貌が明らかになっていくという謎解きプロセスは、なかなか普通に面白いです。

 ただ、設定に凝るのは悪くないのですが少々設定を詰め込みすぎた感もあって、特に序盤のヒロインの両親の死亡事故と湖の出来事に全く関連性が無く、ちょっと展開が強引過ぎるかな?と思う部分とか、サスペンス風展開にしては若干ヒントを出しすぎな感もあって、中盤辺りでオチが少々読めてしまい驚きがあまり無いのはちょっと惜しい所。

 また、中盤等はやや展開が冗長に感じるシーンもあったので、もうちょっと全体的にテンポが良くても良かったのでは?と思いました。

 あと、心霊風のテイストとサスペンス風の展開は悪く無いのですが、海外の映画らしくどうしても『ソレだけで終わらせる事が出来ない』ようで、死者達がゾンビになって力技で人間を襲うようなシーンもあったりするのが、いかにも向こうの映画らしいというか…
 この辺は、普通に怨念とかのレベルで話を終わらせといた方がスッキリしたんじゃないかなぁ?

 特撮に関しては、恐らくTV映画じゃないかと思われるので、まあこんなもんでしょう…といった程度のレベル。
 ただ、特殊メイクに関してはそれなりのレベルなんだけど、時々思い出したようにCGで特殊効果みたいなのを出してるシーンがあるのですが、このCGがショボくて雰囲気台無しなのはちょっといただけないかも?

 なんか、ストーリーに関しても演出に関しても特撮に関しても、ちょっと中途半端に力を割いてるな…と感じるシーンが多かったので、その辺の贅肉を削ぎ落とせば、もっとオススメ出来るような面白い映画になったかも?と思うと、ちょっと惜しい作品でした。
 (尺も120分弱とホラーとしては若干長め)

 あと、ネタバレになるので詳しくは書きませんが、個人的にはラスト付近の某シーンでのヒロインの豹変っぷりがちょっとウケました。
 あんた、いつからそんなバイオレンスな性格になったんだよ!!(笑)

 総評としましては、最近の海外ホラーにしては珍しく正統派の心霊サスペンス風という事もあって、割と見所のある映画ではあると思います。
 ただ、やっぱ全体的に低予算でチープな上に作品の作りも荒削りな感覚は否めないので、好んでB級を見たいというような人以外には、あまりお勧めは出来ません。

 逆にそういう部分を許せる人なら、海外ホラーとしては珍しいテイストの作品として、一見の価値はあるかもしれません。

 ちなみに、パッケージや予告にダマされてゾンビものだと思って期待して観ると、さっぱりめっきり肩透かしを食らわされますので、ゾンビ物が観たい人はこの映画は借りないでスルーした方が良いでしょう。