■■■「セーラ 少女覚醒」■■■
(55点/オカルト)
(55点/オカルト)
ハリウッドに暮らし女優を目指すセーラは、同じように俳優や映画製作を目指す友人たちの志の低さにうんざりしつつも、オーディションになかなか合格できずに、努力の報われない日々に焦りを感じつつ生活を続けていた。
そんなある日、大手製作会社の制作する「シルバー・スクリーム」というホラー映画のオーディションを受けた彼女は、焦燥感のあまりに会場で発作を起こしてしまうが、逆にそれが認められて一次選考を突破する事となる。
面接に合格し映画のプロデューサーたちと会合する事となった彼女は、製作陣の『自己を解放すること』を異常に求める方針に違和感を感じつつも彼らに従っていくが、この映画の制作には秘められた恐るべき秘密が隠されていたのだった…
ハリウッドで女優を目指す女性が、とあるホラー映画の制作に関わったことから恐るべき事態に巻き込まれていく…という、オカルトサスペンス映画。
「少女覚醒」なんてタイトルが付いてる割にヒロインがあんまり『少女』って感じのキャラクターじゃないですが、それはさておくとしてお話的には『映画業界に潜む謎の宗教集団』を題材としたオカルトホラーって感じの作品ですね。
お話としては『女優を目指す女性が、とあるホラー映画のオーディションを受けるんだけど、そのオーディションは実は恐るべき真の目的が隠されたものだった』みたいな感じの展開。
主人公の隠された『内面』が映画の製作陣(と装った謎の宗教集団)によって徐々に解放されていく…みたいな流れなのですが、テーマがテーマだけに主人公のキャラクターの掘り下げなんかが非常に丁寧に行われており、人間ドラマ的な要素がシッカリと描かれているのは良い感じで、作品自体のテーマも非常に分かりやすいです。
ただ中盤ぐらいまではサイコスリラー的なで進むのですが、終盤での急転直下なオカルトホラー的展開は意外性もあってなかなか面白いですし、先が読めない作りで予想以上にと楽しませてくれる作品という印象。
作風的にアッサリ目の作品かと思いきや、結構グロい描写やエグ目の展開も多くて、ホラーとしてもそこそこ見ごたえのある内容なのはなかなか好感触といった感じ。
ただ前述のとおり人間ドラマ的な要素が強めな事もあって、お話のテンポは全体的に遅めで、中盤辺りまでは大きな事件も起こらないままにダラダラとした感じでお話が進んでいくため、ちょっと退屈さを感じでしまいました。
また、主人公のキャラはシッカリと掘り下げられている割には、友人たちのキャラの描き込みが薄く、いま一つ人間関係がハッキリしないせいで、終盤の展開がちょっと入り込み難かったのは残念なところかなぁ?
ラストも割と投げっぱなし気味な終わり方ですし、ドラマ要素にせよオカルト要素にせよ、もうあと一歩ぐらい掘り下げがあった方が良かった気がしますよ…
総評としましては、ちょっと物足りなさは感じるものの『そこそこ観れるレベルのオカルトサスペンス映画』って感じの作品ですね。
カルト系のネタがちょっと強めなので、『謎の宗教集団』とかそういうネタが好きであれば、より楽しめる内容の映画かもしれません。
推す程でもないですが悪い出来の作品ではないので、気になっているようであれば『お好みで』って感じの一本ではないでしょうか?