NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「チュパカブラテリトリー」(30点/モンスター)

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■■■「チュパカブラテリトリー」■■■
(30点/モンスター)

 過去にエメラルド湖の周辺のパインフォレストで発生した、コヨーテの仕業とされているキャンプ場の虐殺事件や、周辺で続発する牧場の牛の切り裂き事件が伝説の怪物である『チュパカブラ』の仕業だと考えたジョーは、3人の仲間と共に事件を調査するためにパインフォレストの森へと訪れる。

 チュパカブラの皮で作られたと伝えられる古文書を手掛かりに、カメラで撮影をしながら調査を開始した彼らは、危険だと言う地元の住民や警備隊の制止を無視して森へと侵入するが、仲間の一人が行方不明になったというハイカーたちや、ガスマスクを付けた謎の男たちと遭遇し、徐々に不安を募らせていくのだった…
 

 『数年前に謎の虐殺事件があった』という森の奥にチュパカブラの調査のために訪れた若者たちが、その場所で恐るべき事態に遭遇する…というモンスターホラー映画。

 チュパカブラを題材としたPOV形式のモンスターホラーで、数年前に製作されたままビデオ化もされずに日本には入ってきていなかった作品のようですが、今更ながらAmazonのPrimeVideoの無料タイトルとして日本に上陸してきたようです。

 ちなみに本作は、少し前に話題になってたAmazonの『自動翻訳機能』を用いて字幕が付けられているのですが、この翻訳が思いのほか酷い!!

 女性だろうがワイルドな田舎のオッサンだろうが、ホラーシーンだろうがお色気シーンだろうが、全員の全てのセリフが英語の教科書のような『それは〇〇ですか?』、『はい、それは〇〇です。』みたいな無駄に丁寧な文体で訳されてて、雰囲気が台無しというか『緊迫感のあるシーン』ほど逆に笑えるような作りになっているのは困ったものです。
 

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 ただ一部でトンチンカンな部分もあるものの、全体的な翻訳の精度は悪くなくて『英語のセリフを聞きながら字幕を読んだら本来のセリフが予想できるレベル』なので、思ったよりは使える機能かな…という印象。
 (字幕なしで公開されるよりは十分に使えるレベルなので、日本に入って来ないぐらいならこの機能をジャンジャン使って公開して欲しい。)

 まあ字幕の話はさておくとして肝心な映画の中身に関してですが、本編の方は『割と残念な超低予算モンスターホラー映画』という感じの内容で、日本で発売されなかったのも納得のレベルという感じ。(と言ってももっと酷い作品もいっぱい発売されてるけど…)

 いわゆる超低予算タイプのPOV映画なのですが、事件が起こったりモンスターが登場したりするシーンが少な目で、逆に若者たちがダラダラしているだけのシーンが多くて、超低予算映画にありがちな全体的にダレ気味の内容

 ただ、逆にそれが『無計画にチュパカブラの調査に来た若者たち』という雰囲気を良く出していて、妙にリアリティが感じられるのは悪くないんですよね。

 また、主人公たちがダラダラしているかたわらで、別のキャンパーたちが怪物の襲撃を受けて居たり、ブービートラップやら謎の『ガスマスク男』が登場して話を盛り上げたりといった感じで、一応は退屈させないような工夫がされているところも好感触。

 エンディングの後の、『映画の元になった実際の映像』っぽい演出も印象的で悪くないです。

 しかし低予算故に残念な部分も多く、なによりも残念なのはチュパカブラが全くといって良いレベルで画面に出てこない』というのは困りもの。

  襲撃シーンのほとんどが、犠牲者が画面外に引きずられていったりして『画面外で襲われるだけ』みたいな構成で、チュパカブラの登場シーンも『暗闇で赤い目が光っているのが見える』という程度。

 『発見された犠牲者や動物の死体』とかでグロいシーンは若干は補完されているものの、どうしても物足りなさが目に付いてしまいます。

 古文書やら召喚の儀式やらで中途半端にオカルト的な要素がある割に、バックボーンの説明が殆どないせいで意味が分からなかったり、チュパカブラに襲われた男がゾンビ化したみたいになった理由が意味不明だったり、意味ありげに登場した『謎のガスマスク男』が最後まで謎のままで何の役にも立たなかったり…

 といった具合に雑な部分が多く見られたのは残念な感じだったので、その辺がもうちょっとシッカリと作られていれば、低予算ながらもまあまあ観れる映画になっていたんじゃないかなぁ?
 

 総評としましては、全体的に『残念な出来の超低予算モンスターホラー映画』って感じの作品ですね。

 悪くない部分も無くはないのですが残念な部分の方がだいぶ多いですし、何よりも肝心のチュパカブラが全然出てこないですので、ちょっとオススメするには厳しいところかなぁ?

 むしろAmazonの自動翻訳機能』がどんな感じなのか確認してみたいのであれば丁度よい題材かもしれませんので、そういうのが気になるようであればチェックしてみても良いかもしれませんよ。