NIGHT_SHIFT (B級映画&ゲーム雑感 上井某BLOG)

上井某(家主)が観た「B級映画」(主にホラーとサスペンス)の感想と、たまにゲームとかアニメとかについてつらつらと語るブログです。

映画感想:「タイトル未定 ホラームービー Untitled Horror Movie」(50点/オカルト)

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■■■「タイトル未定 ホラームービー Untitled Horror Movie」■■■
(50点/オカルト)


 TV局の人気のドラマシリーズが突然全打ち切りとなる。


 番組を打ち切られた弱小な番組製作チームの面々は新たな企画として、メンバーの一人が提案する『ファウンドフッテージホラー映画』を撮影する事となるが、それは『罪を犯した人間を攻撃するスピリットに関するドキュメンタリー』という設定のものだった。


 それぞれにアイデアを出し合ってホラー映画のネタ出しや撮影のための準備を進めていく彼らだったが、彼らが演技としてはじめた『精霊召喚の儀式』は謝って本物の悪霊を呼び寄せる事となってしまい、徐々に彼らの周りで奇妙な現象が発生するようになっていくのだった…

 


 番組を打ち切られた弱小スタジオのTV映画のスタッフたちが、新企画として悪霊を題材としたドキュメンタリー風のホラー映画を撮影しようとしたところ、誤って本物の悪霊を呼び寄せてしまう…という、ファウンドフッテージ風味のオカルトホラー映画。


 正式タイトルが「タイトル未定 ホラームービー」という、ややエキセントリックな感じのタイトルの映画ですが、中身の方は『いかにもなネット配信(Amazon専売?)向けという感じの低予算ホラー映画』といった雰囲気の作品です。


 最近、Amazonでたまに見かける『自動翻訳機能』を用いて字幕が付けられた作品っぽくて、全員が教科書の例文みたいな喋り方をしてたり、男性が女性言葉になってたりと変な部分はありますが、とりあえずストーリーが分かるレベルには翻訳されていますし、あまりアクションやら激しい描写の無い作品なこともあって、そこまで強烈な違和感はない印象。


 お話としては『とある弱小番組制作チームが悪霊に関するファウンドフッテージ風のドキュメンタリー映画を撮ろうとするんだけど、企画が進行していくうちに誤って「本物の悪霊」が召喚されてしまい、実際に恐ろしい現象に巻き込まれていく…』みたいな感じのストーリー。


 作品の方向性としては「ズーム/見えない参加者」みたいに『主人公たちが会話をするWeb会議の画面(ときどきスマホの手持ち映像)』を中心にお話が展開していくって感じで、プロットや製作コンセプトからしても『いかにもアイデア勝負の低予算映画』という感じの内容ですね。


 ただ設定やらストーリーに目新しさはないものの、全員が『企画スタッフ兼出演者』という弱小の製作チームが、会議で色々とアイデアを出しあいながら『自主製作的に撮影の準備を進めていくプロセス』のシーンはなかなか面白いですね。


 メンバーどうしの企画会議の様子や、手持ちカメラで自撮りしながら『悪霊に襲われる場面』を練習したり、『撮影のための小道具』を準備して仲間同士で見せあって説明したりするシーンは、いかにも『弱小制作チームが頑張って手作りで低予算映画を撮っている』という雰囲気が良く出ていて、なかなか悪くありません。


 悪霊に襲われるシーンとかは、派手な特撮もなくてまさに『自作自演』って感じで(自分で自分の首を絞めたりする)はありますが頑張ってる感はありますし、『一気に全員を巻き込んで凄い怪奇現象が起こる』とかじゃなくて『メンバーが少しずつ音信不通になっていく』みたいな構成で妙にリアリティがあるのも良い感じ。


 ただ雰囲気や構成は悪くないものの、いかんせん低予算映画ですので派手な要素も無くて全体的に盛り上がりに欠けますし、たいして登場人物が居ない割には中盤以降の展開が妙にゴチャゴチャしているのは気になるところ。


 まあ、ゴチャゴチャしてると言ってもそこまで難解な話とかでは無いのですが、『自動翻訳の酷さ』がここで影響している感じで、終盤の謎解きのシーンになってくると『翻訳のせいで何を説明されているのが釈然としない』ようなシーンがあって、お話が佳境にかかるほどにグテグテな気分になっていくのは困りものでした。


 ただオチとかはなかなかパンチが効いてて悪くなかったですし予算とか演出とか含めてもう少しシッカリと作られてれば、そこそこ悪くない作品になったんじゃないかとも思うので、ちょっと惜しい感じの作品でしたよ。

 


 総評としましては、イデアは悪くないものの『ちょっと残念な感じの実録系オカルトホラー映画』って感じの作品ですね。


 『低予算のインディーズ系ホラー映画』とかが好きであれば、設定やらプロットも含めて割と楽しめる要素がありますし、配信専用ながらもレンタル料金も安いですので、そういうノリが好きであればチェックしてみても良いかもしれません。


 ただ、いかんせん『自動翻訳』の作品だけあって字幕の内容はなかなかに酷いですので、その辺が気になる人はスルーしておいた方が良い作品かも?