■■■「スケアリーストーリーズ 怖い本」■■■
(55点/オカルト)
(55点/オカルト)
(※点数の記載に誤りがあったので修正(60→55点))
1968年のペンシルバニア。
ホラー作家志望の少女であるステラは、ハロウィンの夜に友人たちと共に町外れにある『幽霊屋敷』と称される廃屋に侵入する。
その屋敷は、かつてそこに住んでいたサラという少女が、子供たちに自分の創作した『怖い話』を聞かせてから次々と殺害したという、恐るべき噂の残る場所だった。
屋敷の中で偶然にも隠し部屋を発見したステラは、その場所でサラが残したと思われる『怖い話』が記された本を発見。
興味本位でそれを持ち帰り読んでみたところ、空白のはずのページに勝手に新たな物語が記され、その内容のとおりに彼女の友人や知人たちが姿を消していくという異常な事態が発生していく。
彼女はなんとかして、恐るべき『怖い本』による呪いを食い止めようとして、友人たちとともにサラと『怖い本』に隠された秘密を探ろうとするが…
少女が町はずれの幽霊屋敷から持ち帰った『怖い本』は、そこに記された内容が現実となる恐るべき呪いの本だった…という、ダークファンタジー風味のオカルトホラー映画。
『本に書かれた人間が命を落とす』といっても、別に「デス・ノート」のようなお話ではなくて、本に『死の予告』として『怖い話』が書かれて、それが現実にも起こっていくという展開なので、どちらかと言えば『呪いの本』版の「ファイナル・デスティネーション」的なノリの作品ですね。
タイトルから受ける印象のとおりに、どちらかというと児童向けのホラーを意識したような感じの内容で、本格的な『オカルトホラー』というよりは『ダークファンタジー』のテイストが強い印象。
主人公たちを襲う『カカシ男』やら『バラバラ人間』といった怪異は個性的でいかにも『子供向けの怖い話』から抜け出して来たような不気味さがあるのは良い感じ。
襲撃方法や演出もなかなか面白くて、思った以上に楽しませてくれます。
ただ子供向けだけあってか怪異の攻撃が非常に手ぬるくて、恐怖が殆ど感じられないのは困りもの。
また、メインのストーリーである『怖い本』の設定や、その作者の『呪いの少女』に関する謎解き部分も割と凝った内容で面白いのですが、こちらもホラー描写と同様に手ぬるい部分が多くて、どうにも物足りません。
子供向けとはいえ、もうちょっとエグめの描写があっても良かった気がしますよ。
あと、主人公とその周辺のキャラクターにもあまり魅力がなくてあまり感情移入できないため、主人公たちが襲われてもあまり同情する気が起こらないのも、ちょっと残念な要素かなぁ?
主人公や『呪いの少女』も含めて、もっとキャラの個性が強くても良かったんじゃないかと…
ラストもやけにアッサリしてていま一つ盛り上がりに欠ける感じでしたし、全体的にもうちょっと山場となるシーンが欲しかったですよ。
総評としましては、悪くない出来なんだけど『どうにも物足りない内容のオカルトホラー映画』って感じの作品ですね。
演出とか雰囲気づくりとか悪くない部分も多いのですが、全体的に薄味すぎてなんだか記憶に残らない感じの映画という印象でした。
映画そのものの完成度は低くないので、気になるようであればチェックしておいても良いかもしれませんが、ちょっと強く推すには弱い一本かな…という感じでしたよ。